【2021年最新版】TDKの株価は今後どうなる?今が買い時?

(株式投資アナリティクス編集部)

投資家にとって気になるのが、選んだ銘柄の株価の動向です。期待しているリターンが得られるかどうかは、株価がどのように変動するかによって変わってきます。

株価の値動きを予測したいときは、企業の特徴や事業内容などに目を向けると何らかのヒントが得られるかもしれません。この記事では、TDKの特徴を取り上げながら、2021年以降の株価の推移や想定されるリスクなどを紹介します。

企業・ビジネスの特徴

TDKは、東京都中央区日本橋二丁目に本社を置く電子部品メーカーです。公式ホームページで公開されている企業概要によると、同社の資本金は約326億円で、従業員数は約11万人となっています。2020年3月期のTDKの発行可能株式総数は、4億8千万株、発行済みの株式総数は約1億3千株です。

1935年に実業家の斎藤憲三が設立

TDKの前身である東京電気化学工業株式会社が実業家の斎藤憲三によって設立されたのは、1935年のことです。同社は、東京工業大学の加藤与五郎博士と武井武博士が発明したフェライトの技術を事業化するために設立されました。フェライトは、ラジオやテレビに使われている磁性材料です。TDKのフェライトが登場したことで、当時のラジオの音質は大きく向上しました。

1960年代にカセットテープの発売を開始

1960年代に同社が発売したカセットテープは、世界にTDKの名前が知られるきっかけになりました。カセットテープの登場によって、音楽は自由に持ち歩きができるようになります。1970年代には、カセットテープの技術がビデオテープにも応用され、TDKの事業はさらに拡大していきます。

1983年にTDK株式会社としてスタートを切る

1982年にニューヨーク証券取引所に上場した同社は、翌年の1983年に社名をTDK株式会社と改めて新たなスタートを切ります。以後は、香港の磁気ヘッド製造会社を買収するなど、コンピューターの分野でも活躍するようになります。1980年代には、日本でも小型で大容量のコンピューターが普及するようになり、TDKの薄膜磁気ヘッドの技術に注目が集まりました。

業務提携や買収で海外企業ともタイアップ

TDKは、2017年に半導体の設計開発などを行うアメリカのQualcomm(クアルコム)社と業務提携をし、合弁会社を設立します。以後も、アメリカのセンサーメーカーであるInvenSense社を始め、Chirp Microsystems社などの数々の海外企業を買収し、自社の事業を拡大しています。

2021年現在も幅広い事業を手掛ける

2021年の時点でTDKが手掛けているのが、受動部品、センサ応用製品、磁気応用製品、エナジー応用製品などの事業です。セラミックコンデンサや高周波部品、回路保護部品などは、同社が開発している受動部品のひとつです。センサ応用製品の事業では、温度センサや圧力センサ、磁気センサなどを幅広く開発しています。また、磁気応用製品の事業では、高性能磁気ヘッドやHDDヘッド用サスペンションなどを主力商品として、クラウドサービスの分野に貢献しています。エナジー応用製品の事業では、リチウムイオン電池の提供に力を入れているのがTDKの特徴です。

直近の主要な動向

株価の動向は、最新の決算情報などをチェックするとイメージができる場合もあります。TDKの株価の動向が気になるときは、公式ホームページなどで公開されている投資家向けの情報を見ておきましょう。

2020年4月から9月のTDKの決算情報

2020年4月から9月のTDKの売上高は、6,911億円です。同時期のTDKの営業利益は624億円、税引前利益は632億円、当期純利益は422億円となっています。ちなみに、2020年4月から9月の1株当たりの利益は334.27円です。2019年の4月から9月の決算情報と比較すると、2020年は全体的に利益が少なくなっているのがわかります。実際、為替変動による影響で、2020年は2019年よりも売上高が約139億円、営業利益が約3億円ほど減収しています。

2020年はエナジー応用製品事業が好調

TDKの2020年4月から9月の決算では、エナジー応用製品事業が好調です。エナジー応用製品事業の2020年4月から9月の売上高は3,575億円、営業利益は706億円です。売上高、営業利益のいずれも、2019年の同時期の数字と比べると10%以上増えています。2020年は、テレワークなどの在宅勤務やパソコンを使ったオンライン授業を取り入れる企業、学校が増えたことがニュースでも取り上げられました。パソコンやタブレット端末などのニーズが高まったことで、TDKのエナジー応用製品事業にもよい影響が現れているようです。

今後の株価推移予想・投資判断

2020年に世界で流行した新型コロナウイルスは、TDKの事業にも少なからず影響を与えています。好調さを見せたエナジー応用製品事業などがある一方、2020年4月から9月の受動部品事業やセンサ応用製品事業などは不調でした。海外で実施されたロックダウンなどは、TDKにとってもビジネス上の障害となったようです。

ただ、こういった事業も経済活動が再開してからは回復の兆しを見せ始めています。実際、2021年現在のTDKの株価は上昇傾向にあります。経済活動がより活発になれば、TDKの株価はさらに上がる可能性があるでしょう。デジタルトランスフォーメーションが政府主導で進められていることなどは、以後のTDKの業績にもプラスに働くことが考えられます。

投資する上で想定される当社の事業リスク

TDKの株式に投資をするときに考えておきたいのが、今後の経済活動の動向です。新型コロナウイルスの流行がさらに拡大した場合、2020年のような経済活動の低迷が再び起こる可能性がでてきます。緊急事態宣言などにより経済活動が制限されると、回復の兆しを見せていたTDKの事業にも何らかの影響がでることが考えられます。実際、海外でロックダウンなどが再び行われた場合は、「取引先企業が事業を停止してしまう」などのトラブルが発生するリスクもゼロではありません。

こういったトラブルがたびたび発生すると、株価の値下がりといった投資家にとって好ましくない変化が起こることもあるでしょう。確実なリターンを期待するときは、新型コロナウイルスによる経済活動への影響を冷静にチェックしながら、投資のタイミングを判断するのがベストでしょう。

まとめ

TDKの株価は、その時期の日本経済の状況や市場のニーズといったいろいろな条件に左右される可能性があります。銘柄の選び方で迷っているときは、直近の株価の値動きだけでなく複数のポイントに注目して自分に合っているかどうかを判断しましょう。

株価が上昇傾向にある銘柄を選ぶ場合も、今後のリスクについて考えておくことが大切です。