【2021年最新版】スズキの株価は今後どうなる?今が買い時?

(株式投資アナリティクス編集部)

自動車メーカー「スズキ」の株価は、過去長期にわたって下落していました。その後、世界のスズキとして、株価は短期的に高くなりつつありましたが、コロナショックで、株価は再度下落しました。ただ、今後のコロナ終息を予想すると、再度株価の上昇も期待されます。スズキの株は、今が買い時なのでしょうか?スズキの企業概要・事業の特徴、 最新決算・ニュースと併せて紹介します。

企業・ビジネスの特徴

スズキは、1909年、鈴木式織機製作所として創業されました。1949年には、東京、大阪などの首都圏の証券取引所に株式を上場し、その後1954年に鈴木自動車工業に社名を変更しています。また、1955年に軽四輪乗用車、1970年に四輪駆動軽四輪車の発売を始め、日本における軽自動車の先駆けとなりました。1975年には、四輪車初の海外生産に取り掛かりました。その後、1990年10月に、現在のスズキ株式会社と社名変更されました。2019年には、トヨタ自動車と互いに株式を持ち合う形式で資本提携を結ぶことになりました。

スズキグループは、主に、四輪車・二輪車や船外機、電動車いすなどの製造に加え、各事業に関連する物流やサービス事業を展開しています。スズキは、子会社129社・関連会社32社と提携し、「消費者の立場になって価値ある製品を作る」を第一とした方針を掲げて経営を進めています。消費者に喜ばれるような、本当に価値ある製品づくりに努めることをモットーにしているようです。また、法令を遵守し、安全や品質を第一として、健全な経営化への取り組みがなされています。

スズキが市場とする自動車産業は、現在変革期にあります。そのため、スズキは、10年先の長期を見据えて何を目指していくか、そこから現在の状況を踏まえて、今後行う必要のあることについて考え、企業同士の競争環境の中で生き残るための経営戦略を打ち出しています。たとえば、13億人ほどの人口を抱えるインドが、今後大規模な市場に成長することを見越して、2030年においても現時点でのシェアの半分を維持させようと、さらなる成長に向けて挑戦を続けています。スズキには、インド市場を充実させることによって開発した商品が各国に展開し、他国の市場の充実に何れ繋がっていく、といった考えがあるようです。

また、スズキグループは、経営方針にも掲げている「消費者の立場になって価値ある製品を作る」ことを再確認して、さらなる改革を推し進めようとしてます。たとえば、「中期経営計画SUZUKI NEXT 100」を2015年から5年間にわたって取り決めました。これに基づき「ものづくりの強化」や「スズキブランドの向上」を図っています。新型コロナの影響を受けながらも、スズキは、長期的な展望で価値ある製品づくりを行い、サービスの提供を続け、企業価値の向上に繋がるように企業努力を進めていく、自動車メーカーと言えるでしょう。

直近の主要な動向

スズキは、2020年11月に、2021年3月期第2四半期決算を発表しました。それによると、3月期第2四半期累計(4~9月)の連結経常利益は961億円(前年同期に比べて31.1%減)に落ち込んでいます。また、スズキが発表した上期実績と通期計画に基づいて試算すると、10月~3月期の連結経常利益はの838億円(前年同期比20.9%減)と予想されます。一方、売上営業利益率については、前年同期の6.6%から8.7%に改善しています。

その後の1月28日の速報で、スズキは、 2020年12月および年間 四輪車生産・販売実績を発表しました。それによると、年間の生産・販売実績は前年度を下回りました。一方、2020年12月の生産実績について、世界生産は277,307台(前年同月比前119.9%年)、国内生産は92,110台(前年同月比114.6%)同月を上回る結果となりました。また、販売実績についても前年同月を上回る実績となっています。

スズキは、「小型車」で有名ですが、トヨタとの業務提携によって、EV化も進めています。そのほか、ハイブリッド車の製造を増やすことで、CAFE規制のクリアを推し進めています。また、インド市場に多くのシェア占めるスズキは、中国・アメリカ市場から撤退し、急成長しているインド市場に集中する方針を示しています。直近では、2018年発売以来好評の「ジムニー」が、2021年1月より、インドの子会社で生産・輸出されることになりました。スズキは、各国の消費者に一日でも早く商品を提供できるようにと、生産体制も強化しているようです。

今後の株価推移予想・投資判断

スズキの株投資は、どうなのでしょうか?まず、新型コロナの影響で直近決算では減収減益になっています。スズキだけでなく自動車メーカー各社の売り上げが落ちていますが、2020年12月の業績をみる限り、スズキは前年同月を上回る実績を確保することができました。ただ、今後については、新型コロナ拡大の影響で、自動車の販売台数が落ち込むことも予想され、自動車株は売られやすくなることも予想されます。また、株主への配当についても、新型コロナの影響で未定が続くかもしれません。

現在の状況からすると、スズキの株を買うのは少し待つ、といった選択が良いとも言えるでしょう。一方、スズキの株価の推移(チャート)では、コロナショックで、1ヶ月程度の期間に株価が5000円台から2500円台にまで大幅に下落したことがありましたが、その後株価は回復傾向で、2020年8月時点で4000円の大台にのせるといったこともありました。コロナショックのような株価暴落が心配という人は、少額投資をして、リスクを低く運用をするといった選択もあるでしょう。

投資する上で想定される当社の事業リスク

検査によって、測定データの書き換えなどの不正が発覚したことで、2018年以降、スズキの株価が大幅に下落しました。また、スズキは、データ改ざんの再発防止に向けて、設備の更新などに今後5年間で1700億円ほどを投じるといった方針を示し、さらに、200万台のリコール(回収・無償修理)について、約800億円程度を投じるとの見通しを立てました。

こういった不正行為によって、消費者への信頼を損ない、それに伴って企業全体の体質についてもが問われることとなり、多大な株が売られました。その結果、2018年以降、営業利益および純利益ともに減益となってしまいました。その際の不正問題の関連で、今後の業績に何らかの影響があることを念頭に置くと良いかもしれません。

まとめ

新型コロナの影響で、全体的に自動車メーカーの市場は低迷しているようです。そして、株についても売りの傾向がみられます。ただ、一時的に株価が低迷しているうちが、買い時といった見解もあるでしょう。

さらなる株価の暴落については見込まれませんが、不安なようであれば、少額から投資する、といった方法も良いのではないでしょうか。