
スマートシティはスマートグリッドの延長線上ともいえるコンセプトです。電力をはじめとしたエネルギーを効率よく回転させる仕組みを目指すのがスマートグリッドですが、それをさらに街づくりのコンセプトにまで広げたのがスマートグリッドです。
ですからこのスマートグリッドの推進にはさまざまな企業が関わり、大きなプロジェクトが行われる機会が多くなります。当然動くお金も大きくなりますし、需要が大きくなればそれだけ関連銘柄の業績アップや株価の上昇が期待できるのです。
さらに通常街づくりは民間企業だけで行われるものではありません。行政の認可・バックアップ・連携も含めたうえで行われていくのが原則です。そうなると行政の「お墨付き」のもとで事業を展開していくことも多く、それだけ安定した業績と株価の推移が期待できます。
つまり投資家の視点からすればチャンスを活かせば大きな利益を上げられる可能性がある一方、急激な市場の停滞や縮小による株価の混乱が起こりにくいメリットも持ち合わせていることになるわけです。こうした点から株の初心者から上級者まで幅広い投資家に向いている分野とも言えそうです。
スマートシティの概要解説

エネルギーを効率よく循環させるスマートグリッドのコンセプトを街づくりにまで拡大させたのがスマートシティです。このコンセプトはわかりやすいですが、では具体的にどのようなことを行うのか、どのような企業が関わるのかとなるとなかなか難しい面もあります。
街づくりのビジョンや行政の判断によってもスマートシティのアプローチが異なってきますが、例えば現在実用化を目指して急速に進められているのが自動車の自動運転技術とすでに実用が進められシェアを拡大しているカーシェアリングが挙げられます。自動車を使いたいときに使うだけ使う。効率を徹底することでエネルギーの消費を減らすだけにとどまらず混雑・渋滞の緩和などにも役立ちます。
さらに5GやIoT、AIなどを活用したスマートシティの展開も構想されています。センサーを活用し高齢者や子供を見守る環境を作る、巨大なビルや商業施設のエネルギー効率を大幅に向上させるなど。AIによる自動学習やIoTによる一元管理が巨大施設、さらには町全体で機能するようになればエネルギーの無駄を大幅に削減しつつ人々が快適に暮らせる街づくりを進めていくことができます。
スマートシティの関連銘柄の株価が上昇を見込む理由

こうしたスマートシティの概要を見るとまるで夢の世界が実現するような印象も受けますが、実際に関連銘柄の株価がどのようにして上昇するのか、上昇する可能性があるのか、現実的な視点も持っておきたいところ。
関連銘柄の株価の上昇が見込める理由としてまず挙げられるのが2020年に開催予定の東京オリンピック・パラリンピックです。多くの海外からの旅行客が見込めるうえに各地を移動することになるため、そのための環境づくりが急ピッチで進められています。
さらに加えて環境・エネルギー問題への意識の高まりがスマートシティの継続的な展開を後押ししています。SDGs(持続可能な成長)のコンセプトにもスマートシティはピッタリと合っているため、国や自治体の支援も得ながら関連企業が試みを続けていきやすい環境にあります。これは先ほども少し触れましたが、株価が上昇しやすく、下落しにくい状況にあると言えます。
スマートシティ関連のおすすめ銘柄一覧!厳選5銘柄

ひとつひとつに高度な技術が必要とされるうえに複数の技術を組み合わせて環境づくりを行っていく必要があります。それだけに大企業が積極的に推進している傾向があり、おすすめの関連銘柄も有名どころがメインになります。
スマートシティ関連のおすすめ株銘柄①:トヨタ自動車
まずやはり筆頭に挙げられるのがトヨタ自動車。自動運転の分野では世界でもトップの水準にある企業ですが、さらにすでに静岡県にスマートシティの建設を発表するなどこの分野での意欲も見られます。
とくに注目したいのがこのスマートシティの建設に合わせてパートナーとなる企業を募集しており、2021年に本格的に着工がはじまる点です。そうなるとトヨタ自動車だけでなく、参加する企業の銘柄もチェックしておく必要があるでしょう。
それから5GやIoTにおける主役となる通信業界の関連銘柄。とくに5Gは2020年以降における通信市場の主役になることが予想されており、スマートシティとの関連が見逃せません。
スマートシティ関連のおすすめ株銘柄②:ファイバーゲート
代表的なところではスマートグリッドともかかわってくるファイバーゲートです。こちらは商業施設やマンションなどある程度規模が大きい建築物におけるWi-Fiサービスを提供している会社です。大手企業ではないのでうまく5Gとスマートシティの波になれば一気に業績拡大、株価の急上昇も期待できます。
スマートシティ関連のおすすめ株銘柄③:京セラ
IoTでは京セラがおすすめ・期待の関連銘柄です。大手ですからそれほど急下落するリスクがないこと、すでに5G基地局を設置するなど実績があることなどが協調材料です。
スマートシティ関連のおすすめ株銘柄④:IHI
自動運転やカーシェアリングの拡大を見越して立体駐車場の展開を積極的に手掛けているIHIもおすすめとして無視できない関連銘柄です。車を自動で収納することができる立体駐車場をスマートシティの基本インフラとして普及させる試みを行っています。
スマートシティ関連のおすすめ株銘柄➄:キーエンス
スマートシティには精度の高い部品の確保が欠かせません。そうなるとセンサーなどの部品を扱う企業の躍進も期待できるでしょう。おすすめではセンサーの分野で豊富な実績を持つキーエンスが挙げられます。
スマートシティ関連銘柄の想定されるリスク

関連銘柄のリスクとしてはまだまだスマートシティが具現化するときが見えない点が挙げられます。自動車の自動運転が実用化するのはいつになるのでしょうか?はっきりと答えられる人はほとんどいないでしょう。関連の技術や試みを発表したときに株価が急上昇してもその後進展がないと市場が「冷めて」しまい下落傾向に陥ってしまう…というリスクもはらんでいます。
スマートシティ関連銘柄を購入するおすすめタイミング
関連銘柄を購入するタイミングとしてわかりやすいのは大手の企業が新しいプロジェクトや試みを発表したときでしょう。大規模なプロジェクトとなればそれに関わる銘柄が一度に上昇する可能性も出てくるため一攫千金も夢ではありません。
まとめ
将来性豊かな分野である一方、将来への期待が先走りしている面もあるスマートシティ。投資の選択肢としてみる場合には短期的な株価の推移と、将来的な市場全体の動向の両方を見据えながら銘柄の選択や購入した銘柄を手放すタイミングなどをうまく見計らうようにしたいものです。