
シャープの株価が急上昇しています。8/6の株式市場では前日対比+8.13%と大幅に急伸しました。背景は、市場の期待を上回る内容となった決算発表です。
発表されたシャープの2021年度第一四半期決算は、営業利益が91億円で前年対比で▲37.8%となったものの、市場コンセンサスは数億円程度の水準だったため、ポジティブサプライズとなり株価が急上昇しています。
気になるのは、今後のシャープの株価はどうなるかという点ですね。
個人的には、シャープ株は買い検討しても良いタイミングだと思っています。新型コロナウイルスへの対応に併せた製品・プロモーション戦略が奏功すれば、業績は想定通りに堅調に進捗する蓋然性があります。
ただ、いったん好材料が出尽くした感もあり、今後株価が大きく上昇できるかはやや不透明さも残ります。更なる上昇には新型コロナウイルスの逆風下で更なる利益の上澄みが必要と見ています。

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シャープの概要
今更説明不要の電機大手シャープ。2016年から台湾の鴻海精密工業の傘下に入っています。テレビを始めとして白物家電や液晶パネル事業の他、様々な電機製品事業を展開しています。
【シャープの製品・サービス】

最近の目立った動きはと言うと、2020年度内に液晶パネルおよびカメラ関連事業を分社化する方針を打ち出しており、また外部資金の調達を検討しています。

加えて、NECのディスプレー子会社の株を66%取得し子会社化する予定です。7月に完了予定でしたが新型コロナウイルスの影響で出遅れています
シャープの株価が急上昇した理由:決算発表

そんなシャープですが、8/6の株価が+8.13%と大幅に上昇しています。理由は明確で、前日に発表した決算内容が、市場の期待を上回る内容だったためです。
シャープの2021年度第一四半期決算は、営業利益が91億円で前年対比で▲37.8%となったものの、市場コンセンサスは数億円程度の水準でした。
市場コンセンサスを大きく上回る結果となったため、ポジティブサプライズとなり買いが入っています。白物家電事業が好調だったことに加え、経費削減が効果を発揮したことが利益伸長の要因です。

発表された通期予想も820億円ということで、500億円程度と見られていた市場予想を大きく上回っており、買いの要因となりました
概観したところで、ポイントを見ていきます。
【新型コロナウイルスの影響】

新型コロナウイルスの影響で販売減はもちろんあったものの、生産拠点・サプライチェーンは正常化。今後の各事業への影響は少ないことが窺えます。
【2020年度の取組】

新型コロナウイルスの影響に伴う「巣ごもり需要」に対して白物家電やテレビ、パソコン、通信事業の取組みを変化させる計画です。新型コロナウイルスの影響下、シャープの事業は適応力がありそうですね。
シャープの株価が急上昇したことに対するツイッターの反応
知名度が高い国内大手企業だけあり、好調な決算や株価急上昇に対してツイッターで多くの反応が見られます。
「ホンハイに買収され傘下となった後の構造改革が成功している」という向きが強いですね。
新型コロナウイルスの影響下における巣ごもり需要への対応期待も見受けられます。
シャープの株価は今後どうなるか?【買い検討可能】
総合すると、結論としてはシャープ株は今後まだ上昇する可能性があり、買い検討できる銘柄だと思っています。理由は以下の通りです。
新型コロナウイルスの影響は甚大ではない
新型コロナウイルスや巣ごもり需要に対応する戦略が奏功する可能性
先述した通り、シャープの第一四半期決算は、新型コロナウイルスの影響下にありながらも想定より好調な結果で着地しました。
シャープの製品は白物家電を中心として、自宅に居る時間が長くなる状況下では、本質的に需要が下がらないと見受けられます。もちろん外出自粛で家電量販店などでの販売は影響を受けますが、甚大な影響は無いようです。
またテレビやパソコン、空気清浄機といった外出自粛中に需要が高まる可能性がある家電製品を訴求していく計画を打ち出しており、はまれば更なる事業の伸長が期待されます。

そうした期待感による買いや、通期での業績予測が更に上振れることによる株価急騰の可能性を秘めています
シャープを買い検討する時の留意点:事業の成長余地がなく好材料が「織り込み済」となる懸念
ただ一方で、シャープ株を買い検討する際には注意が必要です。シャープは市場において成長株とは見られておらず、業績の回復が市場の焦点となりがちな銘柄です。
その中で、今回の決算で出た好材料が株価に早期に織り込まれたと市場から判断されてしまえば、今後の株価上昇余地はそれほど望めません。このあたりの難しい見極めが求められるため、慎重な検討が必要です。
シャープのような大型株の期待銘柄
シャープは国内の大手電機メーカーで時価総額が高く、事業の安定性や流動性に優れた銘柄です。そのような大型株には安定収益を背景に配当や株主優待が充実した銘柄が多く、魅力的な銘柄が存在しています。
大型株の中でも選りすぐりの銘柄をご紹介しますので、良ければご参照頂き、買い付けのご参考になれば幸いです。
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まとめ:シャープは買い検討しても良いが大きな株価上昇が見込めるかは不透明感あり
個人的には、株価が急上昇したこのタイミングでシャープは買い検討をしても良い銘柄だと考えています。株価が上昇する要因としては、新型コロナウイルスへの対応に併せた製品・プロモーション戦略奏功、が挙げられます。
ただ、好材料出尽くし感もあり、今後株価が大きく上昇できるかは不透明さも残ります。そのため慎重な検討が必要です。