
- 2021年日産の株価はどう推移する?
- 日産の直近決算の内容とその後の動向は?
本記事は上記のように考えている方にとって読んで頂く意義があると思っています。
日産はもともと高い配当利回りをマークしていたこともあり、株価の動向を気にしていて買いを検討していらっしゃった方もいるかと思います。
しかしながら、新型コロナウイルスの影響下で、2020年度第2Q決算は、足許は回復傾向にあるものの、前年対比で▲40%の減収、▲3300億円の純利益赤字と自動車販売の大きな減退を受けています。
当然ながら株主還元政策にも影響があり、大幅な赤字を受け、1Q決算時で既に配当中止を発表しています。つまり無配企業となってしまいました。
一方で、決算内容は市場の想定よりは赤字幅が小さく、また直近のワクチン実用化、経済回復への期待から割安株=「オールドエコノミー」買いのトレンドもあり、短期的には株価は上昇しています。
ただ事業や経営に根が深い課題を抱える日産自動車の現況を踏まえると、個人的な見解としては中長期目線で日産自動車は買いを控えた方が良いと思っています。
同じ自動車業界でも黒字を確保しているトヨタ・スズキなどを買う方が良いです。日産は高い技術力を保有する素晴らしい会社ですが、2021年現在では、中長期的な目線では残念ながら日産自動車を買う理由が見当たらないです。

元銀行員、投資歴10年以上の経験で培った企業実態把握スキルを活用して分析しつつ分かりやすく解説していきます
※投資は自己責任でお願いします
日産自動車の特徴:コロナ禍影響で業績不振、高配当株から一転無配当へ
大手自動車メーカーの一角である日産自動車の特徴は以下の通りです。
・直近は業績不振、新型コロナウイルスの影響は甚大で更に業績が悪化
・大株主ルノーとの資本関係解消、ホンダとの経営統合の可能性?経営陣の流出が発生
・高配当株⇒無配へ
日産自動車の近年の業績は、以前に比べると不振な状況に陥っています。2019年度の連結営業利益は赤字に沈んだ上、純損益は△ 6712億円と大幅な赤字になりました。
2019年度の決算は新型コロナの影響があった上、構造改革によって生産設備の減損損失を計上したことが大幅な純損失につながりました。
また自動車業界の不振あるいは日産の業績悪化を受けて日産の大株主であるルノーが日産自動車の株式を売却するとの観測も浮上しています。
フランスの大手自動車企業であるルノーは日産の株を43%保有しています。先日発表されたルノーの決算では2020年度上半期は9000億円の巨額赤字になりました。
新型コロナウィルス拡大の影響による自動車販売の落ち込みと、日産の業績不振による出資分の評価損が主因です。9000億円のうち約6000億円が日産要因です。
このような状況を受けてルノーの日産株売却が噂されていたり、あるいは政府によって日産とホンダが経営統合すると言うような検討がなされたとの記事も出ています。
【参考外部リンク】Yahoo:日産ホンダ統合 政府一時模索か
資本関係がごたついているのは経営にとって悪影響と考えられます。
また、日産の将来を悲観し、日産の経営層が他企業へ転職する、という事態も発生しています。
1日付で日本電産に役員級3人が転職
モーター大手の日本電産は6月1日、日産自動車の元上級幹部3人を執行役員として迎えた。
日産で役員待遇の理事(VP)だった桜井隆幸氏、日産・ルノー三菱自動車の3社連合の共同購買組織でアライアンス・グローバル・ダイレクターを務め、本社物流調達部長も兼任していた村越慶太郎氏、インドネシア日産社長や中国の合弁会社・東風汽車で経営企画本部長だった泉田金太郎氏だ。日産のナンバー3で副COOだった関潤氏も退社して4月1日付で日本電産社長に就任しており、日産で役員や役員ポストに近い上級幹部だった4人が立て続けに日本電産に転職したことになる。
出典:yahoo
背景には、経営危機に近い状況で断行しなければならないはずのリストラに、二の足を踏んでいる経営トップにあるようです。
加えて、上記のような業績不振の状況を受けて日産自動車は2020年度付において配当を廃止すると発表しています。
【日産自動車の配当推移】

かつては高配当株として名を馳せていた日産ですが現在の状況では配当の拠出は厳しいとの判断です。

株式投資の視点で見たときに日産自動車の妙味はかなり薄いと言わざるを得ないです
日産自動車の第2Q決算発表後の株価動向と決算の詳細
日産自動車の株価は、第2Q決算を受けて上昇しました。大幅な純損失を計上しましたが、市場の想定よりも赤字幅が些少であったことが好感されています。
また日産単体の要因とは別に、2020年11月以降の株式市場で割安株=「オールドエコノミー」が買われるトレンドが発生しており、その影響もあって直近では短期的に株価が上昇しています。
【日産の株価推移】

決算内容自体は、新型コロナウイルスの感染拡大による世界的な外出自粛やロックダウンによって大きな影響を受けています。
【業績サマリー】

2020年度第2四半期は、1Qに引き続き大幅な減収赤字で着地しています。売上高は前年同期比▲40%、当期純損失は▲3,300億円と、壊滅的な打撃です。
【販売の概況】

ただコロナ禍における自動車販売は、第1Qから回復傾向にあります。世界の自動車販売台数は、7-9月にかけて前年の水準に戻りつつあるためです。

しかしながら、第2Qのみでも▲444億円の赤字であり、外部環境の変化を受け日産自動車の決算も非常に厳しい内容となりました
日産自動車の決算および株価に対するツイッターの反応
知名度が高い日産自動車は、ツイッターでも良く触れられます。特に今回の厳しい決算内容に触れるツイートが多く見られました。
ツイートを眺めていると、個人投資家からもネガティブな視点で見られていることが分かります。
日産自動車の株価は今後どうなる?買い時?

結論から申し上げると、日産自動車の買いは現時点では控えた方が良いです。決算や市場全体の流れ(割安株=「オールドエコノミー買い」)を受けて短期的には上昇していますが、中長期的な目線では残念ながら厳しいのでは、と考えています。
日産は高い技術力を保有する名門企業ですが、新型コロナウイルスの影響による業績悪化、資本・アライアンスといった経営レベルの混乱、無配当への転換など、買いの妙味が見当たりません。
今後は、中期経営計画の目玉として推進している構造改革が奏功し、「事業生産性の向上」と「選択と集中」に成功するか否かが日産復活の鍵となります。
【日産自動車の中期経営計画】



コストベースで▲3000億円の改善を実現し、新型コロナウイルスの影響から回復すれば日産自動車の収益力はかなり向上する見込みです。

しかしながら現時点においては中長期的に株価が上がる公算が立てづらいです。ホンダとの経営統合やルノーが保有する株式売却によるサプライズでの株価上昇に一縷の望みをかけるのは、あまりにリスキーです
日産自動車の倒産リスクは?
ここまでの大幅な減収赤字となると、「日産自動車は倒産するのでは?」という懸念も生じます。しかし手元の流動性はかなり潤沢で、短期的に倒産する可能性は低そうです。
【日産自動車の流動性】

第1四半期時点での日産自動車の流動性は、必ず借入ができるコミットメントライン枠を含めて凡そ3.1兆円あります。今回の赤字幅を踏まえても、資金繰りに詰まることは無さそうです。
日産自動車以外の注目銘柄
新型コロナウイルスの影響や大統領選後の落ち着き、コロナワクチンの実用化期待で割安株が買われるなどトレンド転換が発生しています。
以下の記事では注目株を中心に、個別銘柄分析を実施しています。宜しければ併せてご参照下さい。
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まとめ:日産自動車株は買わない方が賢明
日産自動車の状況や直近発表した決算とその後の動向を踏まえて銘柄分析をしてきました。
結論、私的見解ですが日産自動車の株は買わないほうが良いです。買う理由を探す方が難しいですね。中長期的には株価下落の一途をたどる可能性もあるので注意が必要です。