【2021年最新版】小松製作所の株価は今後どうなる?今が買い時?

(株式投資アナリティクス編集部)

小松製作所は主に油圧ショベルやブルドーザーなどの建設機械を製造販売している企業です。産業機械分野においては世界的に事業を展開しており、南北アメリカやヨーロッパからオセアニアなどにグループ企業があります。小松製作所は東証一部上場を行っている企業なので株を購入することもできます。そこで小松製作所の事業内容や直近の動向、今後の株価推移を解説します。

企業・ビジネスの特徴

小松製作所は東京都港区に拠点を置く建設機械や鉱山機械の製造販売メーカーです。建設機械のシェアにおいては日本1位を誇っています。世界規模で見るとアメリカのキャタピラー社が1位ですが、小松製作所は2位のシェア率があります。同社は1917年1月に創業した小松鉄工所という企業から始まりました。小松鉄工所は時石川県の能美郡(現在の小松市)で銅山を経営していた竹内鉱業が、自社製の機械を製造するために作られました。1921年には竹内鉱業から小松鉄工所が分離し、小松製作所が誕生。1932年になると政府から国産のトラクター開発の要請を受けて、小松製作所は国産のトラクター「T25トラクタ」を製造しました。

小松製作所の開発販売している商品は「建設機械・車両」「産業機械他」の2つに分かれます。「建設機械・車両」分野では同社が得意とすると建設・鉱山機械の提供を行っています。例えばロープショベルは露天掘りの鉱山現場で使われる機械です。1回の作業で最大122.7トンもの鋼鉄や土砂を大型ダンプトラックに積み込むことができます。また自社製の油圧ショベルは配管工事や都市型土木工事に利用可能です。油圧ショベルは主に機能性を重視して作られており、狭い場所での作業を行いやすいように超小旋回を行えます。さらに同社では環境に配慮した低燃費モデルやハイブリッド油圧ショベルなども扱っています。

小松製作所の「産業機械他」分野ではプレス・板金機械の開発販売を行っています。例えばプレス機械は自動車のボンネットやサイドパネルを制作する時に使用できる機器です。他にも航空や建設など、多くの分野において金属形成をするときにプレス機械は役立ちます。板金機械は板金の切断加工を行ったり、曲げ加工をしたりすることができます。他にも同社では自動車や半導体の製造に必要な工作機械も製造しました。特にトランスファーマシンといった機器は、世界規模で展開をしている自動車メーカーのエンジン生産ラインでも使われているほど信頼性が高いです。小松製作所は製造業に必要な機械を制作し、多くの製造メーカーを支援します。

直近の主要な動向

小松製作所は2021年の2月4から7日にオンライン上で開催される「docomo Open HouseTM 2021」にてドコモと共同で行っている実験のデモンストレーションを行いました。具体的な内容は商用の第5世代移動通信方式(商用5G)を自社の鉱山用大型ICTブルドーザー「D375Ai-8」に用いて遠隔操作実験を行っています。ドコモとの遠隔操作実験の結果は見事成功。今回の商用5Gを用いた実験は建築や鉱山機械のオートメーション化への前進となりました。商用5Gの応用による実験は日本国内においてはじめての成功を収めました。

具体的な実験の内容は東京都に設置された遠隔操作卓にオペレーターが座り、大分県にあるブルドーザーをリアルタイムで遠隔操作を行うというものです。実際に現場に設置された複数台のカメラ映像を見ながら遠隔層で土砂を掘削しました。遠隔操作においてネックになるのが映像の遅延です。映像が遅延すると送信される画像も遅れてしまい正確な操作をすることができません。そこで本実験では高解像度のカメラと低遅延映像圧縮装置を利用して正確な遠隔操作を実現ました。同社では経営戦略においてイノベーションによる価値観の創造を掲げています。今回の実験を参考にし、小松製作所は今後も現場をイノベーションできるよう技術を磨いていくそうです。

今後の株価推移予想・投資判断

小松製作所は建設機械のシェア率においては世界トップ2を誇っている企業だけに、同業者の中では安定した事業展開を行っていました。過去の株価チャートを見てみると上昇トレンドにあり、配当の推移を見ると2019年の3月あたりは好調でした。しかし近年のコロナウイルスの流行によって業績がやや低下しました。

ただコロナウイルスの影響による打撃は小松製作所だけでなく、他のメーカーも受けています。また同社は海外売上比率において約86%を誇っています。そのため世界の景気動向や貿易関係の影響を大きく受けやすい企業です。今後はコロナウイルスのワクチンが開発され、安全に日常生活ができるようになれば再び業績が回復する可能性は高いです。

投資する上で想定される当社の事業リスク

小松製作所は建設業界においても圧倒的な影響力を持つ大企業です。同社は高収益体質にあり安定性も高いことから人気の銘柄です。ただ投資をする上でリスクもいくつかあります。例えば同社は世界的に展開を行っており、海外売上比率が86%を誇っています。そのため海外事業が不調になってしまうと大きな打撃を受けてしまうのがネックです。実際に中国経済が減速したことによって小松製作所は一時的に売上が減少しました。2018年には米中貿易摩擦というものが起こりました。米中貿易摩擦とはアメリカと中国の間で起きた貿易に関係する問題のことです。アメリカと中国は輸入制限や関税引き上げを互いに行い、相手国が儲けすぎないようにしました。

中国を良く思っていないトランプ大統領が、中国の輸入製品に対して関税をかけます。すると反発して中国もアメリカの輸入製品に関税をかけるといった具合です。米中貿易摩擦問題が発端となり日経平均や株価も大きな打撃を受けて減少しました。当時、小松製作所の株価も米中貿易摩擦の影響を受けて下落しました。グローバル企業として活躍している小松製作所の銘柄を購入する場合は、日本だけでなく世界の貿易事情や各国の動向に目を向けておく必要があります。

まとめ

小松製作所はグローバル展開を行っている企業です。建設機械や鉱山機械事業においては世界トップ2位の実力を持っているだけに、安定感があり銘柄を購入しても損はありません。

最新のネットワーク技術5Gを用いた遠隔操作実験の成功などにより、今後も事業が伸びる可能性も考えられます。ただし小松製作所は世界的に展開を行っている企業のため、同社の銘柄を保有するのなら世界規模で情報収集ができる能力が求められます。