【2021年最新版】東日本旅客鉄道の株価は今後どうなる?今が買い時?

(株式投資アナリティクス編集部)

東日本旅客鉄道は、特に東日本エリアに居住する人々にとって身近な存在の会社です。しかしながら、手掛けている事業は多岐にわたっているため、全貌を知らない人は少なくありません。

ここでは、東日本旅客鉄道の概要や、株価の今後などについて触れていきます。投資を検討している人は、参考にしてみてはいかがでしょうか。

企業・ビジネスの特徴

東京都渋谷区代々木に拠点を置いている東日本旅客鉄道は、1987年に設立された、国内で最大規模を誇る鉄道会社です。東京証券取引所第一部に上場しており、資本金は2,000億円、2020年4月時点では、51,560人もの社員を抱えています。関東だけでなく甲信越や東北まで至る広域な範囲で活動しており、営業している路線は69線区、延べ7,401.7キロメートルにも及んでいます。一日の利用者数は約1,790万人で、私たちの日常生活の中に深く根付いている企業と言えます。

この企業の事業内容は、大きく分けると運輸事業、流通・サービス事業、そして不動産・ホテル事業という3つのセグメントに分けられています。運輸事業では、鉄道やバス事業などの旅客運送事業をメインとして行っており、その他には旅行業や清掃整備業、鉄道車両メンテナンス事業や駅業務運営業など、様々なサービスを手広く手掛けています。2020年度には新型コロナウイルスの感染拡大防止の一環として、換気や消毒の徹底だけでなく、非接触型のサービス利用を促進したりするなど、安心して鉄道利用ができるような取り組みにも積極的に取り組んでいました。流通・サービス事業では、貨物自動車運送事業や小売業、飲食業などを行っています。くらしづくりと称してショッピングセンターの運営事業やホテル業、オフィスビル等の貸付業などを行い、魅力的なまちづくりを得意とする企業です。エキナカ商業施設の新規開業や、既存施設のリニューアルなどに取り組んでおり、2020年10月には無人決済型小型スーパーマーケットを開業するなど、新たなスタイルの事業にも精力的に取り組んでいました。そして、不動産・ホテル事業においては、沿線や駅周辺の開発を中心に進めており、ホテルや複合施設の開業にも力を入れています。その他にも、大規模賃貸住宅など様々な形態の不動産事業を手掛けています。首都圏を中心として好立地、好条件な環境で事業を進められるのは、東日本旅客鉄道ならではと言えるでしょう。

さらに、時代の変化に合わせ、グループ全体で柔軟に対応した事業展開を行っていることも、東日本旅客鉄道の事業の特徴です。リアルなネットワークに、デジタル技術を掛け合わせることで、テレワーク等の多様化する働き方やデジタル技術を用いた新たな旅の提案、そしてチケットレスやドライバレス運転など、イノベーション的な事業に関しても精力的に取り組んでいます。

直近の主要な動向

2020年度第3四半期決算では新型コロナウイルスの影響を大きく受けたことが要因となり、営業収益と運輸収入ともに第3四半期決算の中で最低のものとなっています。営業損失、経営損失、そして四半期純損失を初めて計上するなど、東日本旅客鉄道は大きなダメージを受けています。そのため運輸事業の売上高は873,429百万円(前年同期比45.7%源)で331,211百万円の損失、流通・サービス事業では272,629百万円(前年同期比37.0%減)で12,612百万円の損失、そして、不動産・ホテル事業では13,882百万円(前年同期比79.3%減)の利益と215,573百万円(24.1%減)の売上高と、随所に大幅な影響が見られました。

直近では、2021年1月には新型コロナウイルスの影響に伴い、臨時特急「踊り子」号やイベント用の臨時列車の一部運転取りやめなどを発表しています。イベントの開催延期や中止など、まだまだ様々な影響が見受けられます。しかしながら、2021年春からは多様化する通勤スタイルに合わせたポイントサービスを展開したり、1月からはホテルと提携してホテルテレワークプランを提供するなど、新しい生活スタイルに柔軟に対応しながら様々な新しい事業に取り組んでいます。

今後の株価推移予想・投資判断

東日本旅客鉄道のように鉄道輸送などの公共サービスを提供している企業は、景気変動の影響を受けにくいと言われていました。景気が悪化した時でも、他の業種ほど株価に大きな影響が出ないため、比較的安定しているのが特徴です。しかしながら、新型コロナウイルスの場合は人の移動に関しても影響が出たため、東日本旅客鉄道の業績は大きなダメージを受ける形になりました。とは言うものの、新型コロナウイルスの影響は一時的なものであり、今後、長期的に考えた場合には安定した成長が期待できるため、投資に関しては魅力的な企業と言えるでしょう。

東日本旅客鉄道は、鉄道輸送という安定した事業を行っているだけでなく、ホテル事業やサービス事業など多角的な事業の展開に力を入れているからです。当面は新型コロナウイルスの影響が大きく、業績や株価にも影響が見られることが予想できますが、状況が落ち着けば収益を十分に回復できる可能性を多く秘めています。

投資する上で想定される当社の事業リスク

東日本旅客鉄道で懸念されている事業リスクとしては、自然災害や気候変動などによる影響が挙げられます。台風や地震、集中豪雨などは、鉄道や関連施設に大きな被害を与えてしまうこともあります。それにより、円滑な運行ができなくなる可能性が考えられます。また、新型コロナウイルスのように、感染症の発生なども事業リスクのひとつです。外出自粛の要請が行われることで人々の移動が大幅に減少することで、鉄道やホテル、商業施設など、様々な事業の収益に大きな影響が及んでしまうことが考えられます。

その他には、鉄道事業で何らかの大きな事故が発生した場合が挙げられます。鉄道の脱線事故などのような大きな事故の場合、利用者からの信頼を損ねるだけでなく、社会的評価を失墜してしまう可能性もあります。また、事故が発生した場合は事業の中断などの影響だけでなく、補償などで経営自体にも大きな影響が及んでしまうことが想定されるでしょう。

まとめ

東日本旅客鉄道は、公共サービスを主な事業とする一方で、新しい事業やサービスにも積極的に取り組んでいる、チャレンジ精神が旺盛な企業と言えます。

そのため、一時的に新型コロナウイルスの影響を受けても、長期的に見た際には回復し、成長していくことが期待されます。投資を行うには魅力的な企業のひとつと言えるでしょう。