2020年時点でグロース株がバリュー株より圧倒的に有望な2つの理由 | 株式投資アナリティクス@金融×戦略コンサル

コラム

本記事では、グロース株とバリュー株を比較して、2020年の現時点でどちらが有望なのかを分析しています。

結論から言ってしまうと、個人的にはグロース株の方がバリュー株よりも圧倒的に有望、すなわち株価上昇の可能性が高いと見込んでいます。

理由は以下の2つです。

グロース株>バリュー株の理由

資金供給過剰、低金利環境下においてはグロース株が有利

新型コロナウィルスの影響下ではITテクノロジー関連のグロース株が有利

元銀行員、かつ投資歴10年以上の経験を踏まえ以下で詳細に解説していきます。

文字を読むのがちょっと面倒、という方はYoutube動画もありますので良ければ以下をご覧ください。

グロース株とバリュー株のパフォーマンス

本記事を読んでいただいている方はご存知かと思いますが、グロース株とは高い売り上げや利益の成長を継続する銘柄のことです。

一方で、バリュー株は本質的な企業価値と対比して割安な株価になっている銘柄を指します。

直近およそ5年間のパフォーマンスを比べるとグロース株はバリュー株をアウトパフォームしていることがよくわかります。

【TOPIXグロース指数のチャート】

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出典:日本取引所グループ

グロース株で構成されるTOPIXグロース指数は、2015年初:1700⇒2020年8月現在で約2400と、およそ5年間で+41%上昇しています。

【TOPIXバリュー指数のチャート】

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出典:日本取引所グループ

一方で、バリュー株で構成されるTOPIXバリュー指数は同期間において、2015年初:1600⇒2020年8月現在で約1550と、およそ5年間で▲3%下落しています。

TOSHATOSHA

直近のヒストリカルな推移では、グロース株がバリュー株よりも高いパフォーマンスを誇ることは明白ですね

またグロース株がバリュー株を株価パフォーマンスの観点で上回っているわかりやすい事例が米国のテスラとトヨタ自動車です。

まだ通年で1度たりとも黒字化したことがないテスラの時価総額が、2020年7月にトヨタ自動車の時価総額を上回るという事態が発生し、大きな話題になりました。

【参考外部リンク】テスラ、トヨタの時価総額を上回る

このような事例が、あらゆる業種で常態化しています。

TOSHATOSHA

私個人の見解ではありますが、グロース株がバリュー株よりも株価が上昇しやすい傾向は、今後しばらく変わらないと考えています

そこで歴史的に見てグロース株がバリュー株よりも株価が上昇していること、また今後も上昇しやすいと考える理由を解説していきます。

グロース株がバリュー株よりも株価が上昇しやすい理由

端的にまとめると、2020年時点でグロース株がバリュー株よりも株価が上昇しやすい理由は、以下の通りです。

グロース株がバリュー株よりも優位な理由

資金供給過剰、低金利環境下においてはグロース株が有利

新型コロナウィルスの影響下ではITテクノロジー関連のグロース株が有利

どういうことか、順に解説していきます。

資金供給過剰、低金利環境下においてはグロース株が有利

2020年時点で世界的に金融緩和が継続され、金融市場は資金供給過剰となっており、また低金利の環境が持続しています。こうした状況下ではグロース株は株価を伸ばしやすいです。

金利が低いと言う事は、グロース株が成長のために必要な資金を低コストで調達しやすいということを意味します。

ベンチャーやスタートアップが成長するためにはもちろん資金が必要ですが、資金調達は大きなハードルの1つです。世界的に「金余り」の状態になっている中で投資家や金融機関から資金供給がされやすいのもプラスに働きます。

次に、バリュー株よりも比較的ハイリスクハイリターンな成長株を狙う投資家が増えると言う点が挙げられます。

投資家サイドで資金が余る中で、低金利の環境下では債権のリターンが下がってしまい、多少のリスクを取ってでもより高いリターンを求めてハイリスクハイリターンな成長株を求める機関投資家が増加します。

結果として、成長株に買いが入りやすく株価が上昇すると言う傾向が強まります。

最後のポイントとして、低金利を前提にすると、企業のバリエーションが上がりやすくなります。

成長株の実質的な企業価値を算定する際には、現在の金利を反映した割引率を利用して将来生み出す利益を勘案しますが、割引率が低ければ低いほど企業価値が高まります。

低い割引率を適用して企業価値が高くなると、現在の株価とのギャップが大きくなり高いリターンを得られるとの期待から買いが入りやすくなります。

TOSHATOSHA

このように、金融緩和が継続する2020年現在においては成長株に良い影響が及びます

新型コロナウィルスの影響下ではITテクノロジー関連のグロース株が有利

新型コロナウィルス感染拡大の影響によって、ITテクノロジー関連の銘柄は大きな恩恵を受けています。

外出自粛やリモートを中心とした働き方の変革が進んでいく中で、インターネット、デジタルコンテンツ、デジタル関連ソリューションを提供する企業の株価が大きく上昇しています。

典型的な例で言うと、巣ごもり需要によって商取引の金額が増大している米国アマゾンや国内でもYahoo! JAPANを擁するZホールディングスは大きく株価を上昇させています。ゲーム関連株も好調です。

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ゲーム関連銘柄スクウェアエニックスの株価が急上昇!今後の予想?【買い時?どこまで上がる?】

またテクノロジーを活用した働き方改革がこれまでよりもいっそう進展すると想定され、RPAやリモートでのビジネスモデルの構築に資するソリューションは市場規模を増大させていくと予想されています。

人口知能を活用したソリューションや、5G関連銘柄は今後より事業拡大を加速させるとの見方から株価が急上昇しています。

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グロース株の大半はこうしたテクノロジー関連銘柄です。新型コロナウィルスの影響によって今後も株価の上昇を加速させる可能性が高いです。

今後の展望:金融緩和及び新型コロナウィルスの影響は長期化する可能性

世界的な金融緩和や新型コロナウィルス感染拡大の影響は今後も持続すると見ています。

米国の中央銀行にあたるFRBは、新型コロナウィルスの影響を受け、ゼロ金利政策を2022年まで継続させる旨をすでに発表しています。

【参考外部リンク】FRB ゼロ金利政策 2022年まで維持の見通し 新型コロナ

また新型コロナウィルスに関しては、ワクチン開発は進んでおりいずれ実用化すると想定されますが、先述したデジタル化の進展は多くの企業で加速しており、もはや以前の状態に完全には戻らない可能性が高いです。

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従って、もちろん短期的にバリュー株が上昇する局面もあるとは思いますが、対局としてグロース株が優位を保つ源泉となっている要因や環境は大きく変化せず、グロース株の優位は変わらないと考えられます

まとめ:2020年時点でグロース株はバリュー株に比べて優位。グロース株を優先して購入検討

現時点において、歴史的なパフォーマンスや今後の展望から考えてもグロース株はバリュー株に比べて優位な状況が続くと考えられます。

今後、株式ポートフォリオを構築する上ではグロース株を優先して購入検討した方が高いパフォーマンスを得られる蓋然性がありますので、投資判断の参考にすることをお勧めします

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