
クラウドソーシングは「働き方改革」の一環としての位置づけもあって社会全体で大きな注目を集めています。
インターネットの普及によって遠く離れた企業と人がビジネスをしやすくなった、不特定多数の人に業務の発注や募集をしやすくなったといった環境の変化もクラウドソーシングが普及した背景にはあります。
このクラウドソーシングは日本のビジネスシーンを大きく変貌させる可能性を秘めているともいわれています。とくに働き手の側からのニーズが大きく、子育て中の主婦や定年退職後の高齢者が働く機会を得る選択肢として注目されています。
需要が多ければそれだけサービスを提供する会社も増える。現在はクラウドソーシング市場全体が急速に拡大している状況です。上場する関連銘柄も増えており、これが投資の選択肢として非常に有望な分野ともいえるでしょう。
クラウドソーシングの概要解説

クラウドソーシングとはもともと「群衆」を意味する「crowd」と「業務委託」を意味する「sourcing」を組み合わせて作られた言葉です。つまり不特定多数の人に業務を委託することで成り立つビジネスのことを言います。
典型的なパターンとしてはクラウドソーシングの仲立ちをするサイトに発注する側が募集を行い、それに応募した人に仕事を委託する形が挙げられます。メールやスカイプなどで連絡を取り合える状況なら両者が直接会う必要もなく、遠く離れた地に住んでいても何の問題もないわけです。
仕事を委託する側と受ける側が一度も顔を合わせることなく、相手がどんな人なのか詳しく知る機会もなくビジネスが成り立つ。人間関係を重視してきた従来の日本のビジネスシーンから考えればかなり異質の形ともいえるでしょう。
しかしこうしたクラウドソーシングの基本的な仕組みは現在の日本のビジネスが抱えているさまざまな問題を解消する可能性を秘めています。とくに注目されているのが導入分でも触れた「働き方改革」の一環としての役割です。
朝8時に出勤して9時から仕事、残業があって仕事が終わるのは夜の19時、20時が当たり前…そんな従来のモデルが脱却した働き方を模索していくうえでこのクラウドソーシングは非常に役立つのです。
例えば子育て中の主婦などこうした従来のモデルでは働き続けることができない環境の人でもクラウドソーシングなら可能です。単に収入を得る機会を確保できるだけでなく、せっかくのスキルやキャリアを捨てずに継続できるチャンスも得られるわけです。
またデザイナーやライターなどフリーランスが多い職種では仕事を獲得しやすく、安定して収入を確保できる環境づくりに役立ちます。正社員として就職して朝から晩まで働くのが社会人の「あるべき姿」…そんな従来のモデルから脱却した多様な働き方を可能にする魅力がクラウドソーシングにはあるのです。
クラウドソーシングの関連銘柄の株価が上昇を見込む理由

社会全体から求められている。これこそクラウドソーシングの関連銘柄の株価の上昇が見込める最大の理由です。需要が高まれば当然関連銘柄に注目が集まり、株価の上昇するわけです。
しかもクラウドソーシングは今後ますます多様化・拡大化が進んでいくことが予想されています。企業のアウトソーシングそのものが推進されていることもあり、これまでもっぱら企業で働く正社員が担当していた業務をクラウドソーシングの形で委託するケースが増えていくことでしょう。
またひとつのプロジェクトを多くの人が関わったうえで進められていくケースが増えています。複数の企業が協力して行われるだけでなく、フリーランスも参加した形で進められていくケースも増えています。そうした大規模なプロジェクトの一環としてクラウドソーシングによる人材の活用が行われる機会も得ているのです。
クラウドソーシング関連のおすすめ銘柄一覧!厳選5銘柄
クラウドソーシング関連のおすすめ株銘柄①:パソナグループ
そんなクラウドソーシング関連銘柄の中でもおすすめなのは人材派遣でおなじみのパソナグループです。クラウドソーシング事業にも積極的なため、市場全体の拡大とともに株価の上昇も期待できます。
クラウドソーシング関連のおすすめ株銘柄②:イー・ガーディアン
この分野ではイー・ガーティアンがおすすめ関連銘柄として挙げられます。
またクラウドファンディングでは信頼が重視されます。顔が見えない、よくわからない人同士がビジネスをする形となるため、不正行為を防ぐための環境づくりが求められるからです。
広告審査やSNSの監視などを手掛けており、今後クラウドソーシング市場が拡大していくにつれてその存在感も大きくなり、株価の上昇も期待できます。
クラウドソーシング関連のおすすめ株銘柄③:アップワーク
クラウドソーシング最大手のアップワークも注目の銘柄です。
クラウドソーシングでは先述したように発注する側と受注する側を橋渡しする役割が欠かせません。このサービスを手掛ける会社は現在クラウドソーシングの分野でもっとも躍進が期待できるのですが、残念ながら新興企業が多いこともあって多くは上場していません。
そんななか、クラウドソーシング最大手のアップワークが2018年9月にIPO(新規株式公開)を実施しました。この会社は世界最大規模のクラウドソーシングサービスを手掛けていると言われており、1年間に約38万人もの人材と約48万社の企業の橋渡しを行っています。
クラウドソーシング関連のおすすめ株銘柄④:VOYAGE MARKETING
ほかには広告配信プラットフォームを手掛けているVOYAGEも見逃せません。この会社はクラウドソーシング事業を手掛けているVOYAGE MARKETINGという子会社を展開するなどこの分野への積極的な進出を見せています。
さらにはIT大手としておなじみのサイバーエージェントなどもおすすめ関連銘柄といてぜひチェックしておきたいところです。
なお、クラウドソーシングに関しては先ほど挙げた安全性を確保するため「クラウドソーシング協会」という業界団体も設立されています。そこに参加している企業の株価も細かくチェックしてみると良いです。
クラウドソーシング関連銘柄の想定されるリスク

リスクとしてはやはり安全性・信頼性の面です。大規模な不正行為が発覚してクラウドソーシング全体の信頼性が損なわれてしまうことで市場全体の価値が急下落してしまうリスクが考えられます。
クラウドソーシング関連銘柄を購入するおすすめタイミング

あるきっかけで急激に株価が急騰するといったことはあまり起こりにくいため、それほど大きなおすすめタイミングはありませんが、より便利なサービスの提供が開始された場合などが挙げられます。またクラウドソーシングの市場規模や実際に利用している企業・人材の数が発表されたときに全体の株価が上昇することもあります。
まとめ
今後ますます市場が拡大していくのが確実、しかも日本の今後のビジネスを担う面もあるため、投資先としても非常に有望な選択肢です。
ただ新しい分野だけに勢力地図が変化しやすく、各会社の動向や競争などもチェックしたうえでリスクヘッジも意識しながら投資していく周到さも欲しいところです。