
(株式投資アナリティクス編集部)
投資家にとって株価の上昇は気になるポイントの1つとなります。株価のアップダウンを見ていく上では、株の成長率も大切ですが、企業の今後の動向を確認していかなければなりません。ここでは、大手企業であるキャノンについて企業情報や株価等を紹介していきます。キャノンで投資を考えている方は、しっかりと押さえておくようにしましょう。
企業・ビジネスの特徴
キャノンはITを基盤とした大手企業です。従業員は5,000人を超え、全国各地に多数の営業所を構えています。そのため、当該会社の製品を全国中で販売することができ、多額の売上高を記録していることが特徴的です。さらに、キャノンの営業所は日本国内にのみ存在するわけではありません。海外にも進出しているので、キャノンの製品は世界中で扱われています。日本国外では、タイやベトナムといった東南アジア地方が主な活動拠点となっています。それ以外では、中国もキャノンが積極的に営業をしている区域です。キャノンはさまざまな支社を設けており、その支社ごとにまた事業内容や進出区域に違いが見られます。
キャノンの事業内容は、支社ごとに細かな違いは見られますが、一般的にはITの提供です。ITに活用できる製品の製造や販売を目的としています。キャノンが掲げるスローガンは、「顧客主語」と「ものづくりへの参画」です。顧客主語とは、企業目線ではなく顧客の目線で事業に取り組んでいくことを指します。顧客のプランニングやイメージを崩さないように、製品を作成していく意思がこのスローガンから見受けられます。ものづくりへの参画とは、文字通り積極的に利便性の高い製品を作っていくことです。この場合、キャノンは単純に製品を作れば目的が達成されるというわけではありません。どういった製品を作ればいいのか、企画段階から顧客と二人三脚で進めていきます。
キャノンが手がけている製品にはさまざまなものがありますが、その中でも最も日常生活で見られるのがカメラとプリンターです。これらの製品を購入する際に、キャノンを検討する方も多いでしょう。こういった電子製品がキャノンの事業における強みです。キャノンはこれらの製品を製造するだけではなく、修理やメンテナンスもまた事業の1つとして取り組んでいます。各製品ごとに製品マニュアルを設けているので、顧客が商品を購入する際の参考材料となり得ます。
他にも、顧客に対する悩み相談もまたキャノンが積極的に推進している活動です。電子製品を使用する際に抱く疑問を解消していき、顧客の生活を支えるように励んでいます。加えて、キャノンは社会貢献活動にも従事している会社です。福祉や地域活動、教育などあらゆる分野に着手しており、共生をテーマに多くの活動を行っています。地域の住民とのコミュニケーションを図り、信頼構築を形成している会社ということができます。全国の支社でこういった活動を展開しているため、キャノンの認知度もまた大きくなっているのです。
直近の主要な動向
キャノンの最新決算詳細を見ていくと、決算期である2020年12月では、売上高や営業益、経常益がともに前期と比較すると下降しています。新型コロナウイルスを主な要因とした社会情勢が原因と考えられ、上方修正に切り替えていくのがキャノンの大きな課題です。とはいえ、プリンター関連の製品は在宅ワーカーにとって需要が大きい商品でした。キャノンが製造している商品の中でも、このように社会情勢によって必要とされるものも多いため、これらの製品を中心に勝負すると考えられています。
キャノンは2021年のニューリリースとして、8件の製品やサービスを検討しています。その中には、遠隔モニタリングを生かした製品の開発も含まれていて、在宅ワーカーに向けた更なる支援を視野に置いているといえるでしょう。ニューリリースも踏まえて、これらの製品が今後どのように顧客に用いられるかが、キャノンの大きな課題となっています。加えて、医療に向けた遠隔サービスも実施を検討しているところです。たくさんの分野で活躍することができるよう以前から取り組んでいるので、今後の活躍にも大きな期待が寄せられています。
今後の株価推移予想・投資判断
キャノンの業績は前年と比べると下降はしましたが、2021年1月の株価の推移に関しては、依然として上昇を続けています。決算期を迎えた2020年12月末では、株価は一度大きく下落しました。しかし、年明けから株価の成長を続けていて、2021年1月27日現在ではかなり株価が高くなっていることが確認できます。これからキャノンの株価に関しては、どのように上昇、あるいは下落をするかという判断は非常に難しいところです。
確かに、キャノンは大手企業で株価が2020年8月に急落したのも33年ぶりと言われています。これは、長期間にわたってキャノンが多くの投資家から信頼を得ていたという証拠になるでしょう。ただし、新型コロナウイルスによる社会情勢のもとでは、これまでの常識は大きく覆されてしまう可能性は十分あります。今後、展開していく新規事業が、世間にどのような影響を与えるかがキャノンの重要なポイントとなり得ます。安定株の1つとして数えられるキャノンですが、投資家は今後の事業のあり方に注目しておかなければなりません。
投資する上で想定される当社の事業リスク
キャノンに投資をする上で注意しなければならないのが、当該会社が今後どのように社会へ影響を与えるかを確認していくことです。一般的に、キャノンは安定している企業に分類されるので、取り返しがつかないくらいまで株価を下落させることは考え難いと考えられています。ライバル企業と競合していく中で、33年間株価の急落を防いでいたのは実績を残し続けてきた証です。
しかし、企業は当然ではありますが、景気によって大きく左右されていきます。株価のアップダウンはこれからも繰り返されるので、購入と売却のタイミングはきちんと考えておいた方が無難でしょう。
まとめ
キャノンは、プリンターやカメラといった製品を製造及び販売している大手企業です。2020年12月決算期では、前年と比較して売上高等が下降してしまいましたが、株価は2021年1月21日時点では上昇を続けています。
しかし、この社会情勢のもとでは、株価を安定させることが難しくなります。そのため、投資家は引き続きキャノンの動向や株価の確認が必要不可欠です。