不正融資問題に揺れるスルガ銀行は株価が急落しており、現時点で、問題発覚前・ピーク時のおよそ1/4まで下がっています。

ネットの掲示板などを見ていると、「スルガ銀行の株は今が買い」といった書き込みも散見されますが、本当にそうでしょうか?

この記事では、スルガ銀行の株が長期的に見ていま買い時かどうかを分析検証しています。

先に結論を書いてしまうと、「スルガ銀行の株価はまだ下落する可能性があり、いまは買えない」と思っています。

まして私が狙っているテンバガー候補という観点でも、地方銀行という衰退業種であるスルガ銀行はとても狙えたものではありません

話がそれますがもし「テンバガーって何?」「どんな条件なの?」と気になる方がいらっしゃったら以下で説明していますのでご覧ください。

テンバガーになる条件!最新の10箇条

こちらの分析では、私が銀行員として養った企業実態把握・デューデリジェンスのスキルを活かして客観的なデータを元に分析しています。

そもそも元銀行員ですし、銀行の経営企画にもいたので、銀行経営のことは良く分かっているつもりです。詳細は以下をご参照ください。

※この記事は2018年8月29日現在の内容です

※この記事の内容はあくまで個人の見解ですのでそれを踏まえてご覧下さい

もともと優等生と言われ株価が高めだったスルガ銀行、まだ株価は下がる可能性がある

不正融資前のスルガ銀行は収益力が高く株価も高めだった

こちらのグラフは過去10年間のスルガ銀行の株価推移です。

春先に不正融資問題が発覚する前、スルガ銀行の株価は2500円前後で推移しており、PERは13-14倍前後をうろうろしていました。これは銀行の中ではちょっと高い水準です

現在の国内銀行株はPERが低位に推移する傾向があり、銀行業種平均のPERは10.5倍です。(※出所:8/29 Yahoo!ファイナンス)

このようにスルガ銀行が株価が高かったのは、「地方銀行の優等生」と言われるほど収益力に定評があったからです。

創業家であり、「中興の祖」と言われる岡野元会長が頭取に就任して30年間、リテール事業に力を入れ、他の銀行にはない攻めの姿勢で先進的な融資商品を数多く提供してきました。

それは他の銀行があまり手を出さないハイリスクハイリターンな融資であり、そうした融資で高い収益力を確保していたのです。

しかしながら今回の不正問題は、その融資の実行において、実は書類の改ざん等が常態化し正当な審査手順を踏んでいなかったことが原因となっています。

攻めの経営、他の銀行には無い先進的な商品という強みが、組織をゆがめさせ今回の不正問題につながったと言えるでしょう。何とも皮肉な顛末です。

今年に入り、スルガ銀行の不正融資発覚で大幅に株価下落

端的に言うと、今回のシェアハウス不正融資問題は、「組織ぐるみで、返ってくる見込みが薄くて貸すべきではない不動産ローン案件を、審査をごまかして融資していた」ということになります。

この記事をお読みになっている方は、ことの経緯等はお詳しい方も多いと思うのでここでは割愛します。

もしあまりお詳しく無い方はよろしければ以下のニュースが参考になるかと思います。

これらの不正融資を受け、スルガ銀行の株価はピーク時の1/4程度に下落しています。

ずさんな審査で融資したアパートローンなどの引当金積み増し、損失を被った株主や顧客への損害賠償、顧客離れによる業績悪化、ガバナンス欠如などへの懸念が主な要因です。

しかし今のスルガ銀行の株価は、銀行株と比較して圧倒的に低いわけではない

こうした不正融資でスルガ銀行の株価が急落しているのは、皆さんご存知のところだと思います。

しかしながら、今の株価は、他の地方銀行と比べても劇的に低いという訳ではありません。

スルガ銀行の株価は現在のところ650円ほどで、PERで7.2倍ほどです。

この水準は地銀・メガ銀含めて銀行なら特に違和感のない水準で、「ちょっと低いかな?」程度です。

ちなみに今ですと、メガバンク3行はPER8~9倍あたりの水準にいます。

これほどの問題を起こしている銀行が業績好調なメガバンクと同等か少し低いくらいの割安感で済むのでしょうか?

今後、スルガ銀行を待ちうける困難と株価への影響

スルガ銀行は今後多くの困難が待ちうけており、不確実性が非常に高いです。

大きな困難としては以下の3つが考えられ、スルガ銀行の業績に大きな影響を及ぼすと考えられます。

  • 第三者委員会の調査結果
  • 不正融資の引当金による損失額
  • 今後の事業への影響

1点目について現在、外部弁護士を中心とした第三者委員会がスルガ銀行の内部調査を進めています。

つい最近、シェアハウス以外のアパートローン融資でも不正が発覚したように、今後どんな事実が発覚するかわかりません。

もし重大な事実が明らかになればそのたびに、投資家の厳しい目にさらされ批判を浴びせられ株価に影響を与えるでしょう。

更に、2点目について今回発覚した不正融資の引当金がいくらになるかが、現時点では正確には読めません。

引当金とは、「返済されないかも知れない融資で銀行が被る損失に対してあらかじめ損失として利益から引いておくもの」です。

引当金を計上すれば、利益が減り、配当が減り、従って株価は下がります。

今回の不正融資は、そもそも信用力が低いローンの審査をごまかして融資していたものであり、その額はおよそ1兆円です。

このうちの何割が「返済されないかも知れない」と認定されるかですが、おそらく数百~数千億円規模になってしまうのではないでしょうか。

スルガ銀行の前期の経常利益が100億円程度ですから、もしそうなれば全てを吹き飛ばす破壊力ですね。

また最後に、今回の件でスルガ銀行の今後の事業が打撃を受けることは必至です。

そもそも銀行は、預金・融資・為替などを通してお客さまの大切な資産を扱う業種ですが、このような悪いことばかりする銀行とだれがお金のやりとりをしたいと思うでしょうか?

たとえ地元でなじみのある銀行だと言っても、お客として付き合いたくない、と考える人が大勢いるでしょう。

そもそも地方銀行という業種は少子高齢化による人口減少や過疎化、フィンテック登場といったトレンドで厳しい経営環境にさらされています。

ダブルパンチでスルガ銀行の今後の業績は落ち込む可能性が高く、株価にも大きな影響があると想定されます。

スルガ銀行の株はまだ売り込まれる可能性があり買い控えが無難。いつ買うか?

ここまで書かせて頂いた通り、スルガ銀行はまだまだ大きな不安要素を抱えており株価の下落余地は未知数です。

少なくとも私個人の感想としては、株価の底はまだまだ見えていおらず下落余地が大いにあると思っています。

従って今は買わず、状況を静観する一手が賢い選択だと考えます。

もし買うとしたら、上記の困難が片付き、経営陣が刷新されて新体制が固まり、事業への影響が見えた時に改めて判断するのが賢明でしょう。

1年以上先になりそうですね。しかも今回の不正融資による顧客離れを考えると、従来レベルの業績に戻れる可能性は極めて低い気がします。

もしくは他の地銀との統合・買収の可能性が見えたら考えられるかも…といったところでしょうか。いずれにせよ、様子見が良いかと思います。テンバガーにも程遠いです。

以上、スルガ銀行について今後の株価がどうなるかを考えてきましたが、他の銘柄も分析しています。

テンバガーを狙った長期保有の投資スタイルで株式投資をしていますが、宜しければ以下のリンクもご覧下さい。

2018-2019年のテンバガー(10倍株)候補一覧!厳選6銘柄