この記事では、東証マザーズに上場する「株式会社すららネット」について分析しています。

すららネットは国内外で独自性の高い学習塾・学校・個人向けにeラーニング教材を提供しており、事業の成長性は高いと想定されます。過去業績の実績は売上利益ともに2ケタ増の勢いでした。

しかしながら、2019年度は投資先行で赤字決算着地となる計画です。2020年以降に掲げる業績回復が実現するか注視が必要です。

計画通りにV字回復を実現することに期待して、株価が割安な今の内に仕込んでおく、という選択肢が考えられます。

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分析にあたっては銀行員であったころに培った企業実態把握・デューデリジェンスのスキルを活かして客観的なデータを元に分析しています。詳細は以下をご参照ください

※投資は自己責任でお願いします

すららネットの事業概要

すららネットの事業概要
出典:すららネット

すららネットは設立以来、有名な講師やeラーニング研究に知見を持つ大学教授とのプロジェクトによりプログラムを開発しています。

開発した教育プログラムはゲーミフィケーションを応用した「対話型アニメーション教材」です。これは従来の映像授業型eラーニングや問題集型eラーニングと差別化されたプログラムとして全国の学習塾や学校法人で採用されています。

またすららネットは2012年にはeラーニングアワードフォーラムにて、教育部門最高峰の「日本e-Learning大賞 文部科学大臣賞」を受賞しています(同社ウェブサイトより)。

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実際に、すららネットのサービスは国内外において導入校数は増加しています

【すららネットのサービス導入実績】

出典:すららネット 2019年度第一四半期決算

2019年3月時点における導入校数は、学習塾782・学校168・海外32の合計982となっています。国内の学習塾は約50,000、小中高の学校で約40,000あり、まだまだ市場開拓のポテンシャルは大きいと言えます。

また個人向けや海外向けは更に伸び代が大きく、差別化による競合優位性を持続できれば、大きな成長が期待できる事業と言えるでしょう。

このように、すららネットはテンバガー候補となる可能性を秘めた有望な事業を展開しています。

すららネットの事業に影響する市場トレンド

すららネットが本当にテンバガー候補として将来的に株価が大きく上がりそうかどうかを考えるにあたり、市場環境を検証したいと思います。

矢野経済研究所の調査によると、2017年度の国内eラーニング市場規模は前年度比13.2%増の2,000億円を見込んでいます。

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内訳は法人向け(企業・団体内個人を含む)のBtoB市場規模が同3.9%増の620億円、個人向けのBtoC市場規模が同17.9%増の1,380億円となっています

出典:矢野経済研究所

2018年時点のレポートですが、過去のトレンドは法人・個人向け市場ともに拡大しています。

内訳を見てみるとBtoB市場は、スマートフォン、タブレット端末の普及による学習ツールの多様化、情報通信技術の向上、クラウド環境の進展などによってeラーニングの利便性が向上し拡大を継続しています。

一方、BtoC市場は、2014年度を境に1,000億円台の規模に急成長し、ここ数年における国内eラーニング市場規模の拡大を牽引しています。

2017年度は、学習塾・予備校の映像授業が引続き堅調であったほか、主要通信教育事業者では、サービス体系の見直し、サービスラインアップの拡充が奏功し、ユーザー数を着実に増加させています。

なおBtoC市場では、学習アプリをはじめとする無料のサービスも多く、市場規模の拡大以上にサービス数、ユーザー数は増加しているものと推測されます。

また、学習理解を深めるためのツールとして、学習コースの一部に動画解説やオンラインによるコーチングを組み込むサービスが増えています。

あるいは、eラーニングとリアルのコーチングを融合させるなどの学習サービスは増加傾向にあり、提供形態の多様化はますます進む環境にあります。

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こうした市場環境はすららネットにとって非常に好ましい状況です

株価上昇の要因①:来期以降は赤字からの回復を見込む

トレンドを追い風とした良好な市場環境下、すららネットは着実に業績を伸ばしていました。しかしながら2019年12月期は赤字決算を見込んでいます。

出典:楽天証券

2018年12月期の決算着地は、売上高9.4億円、経常利益2.2億円で大幅な増収増益となりました。しかしながら、2019年12月期は増収を見込みながらも赤字の計画です。

理由として、新規科目の開発費や陣容増、海外展開の先行投資、TVコマーシャルの積極展開による費用増加を挙げています。結果として、売上原価および販売管理費が増加する計画です。

2019年の計画は既に周知されており、株価はリーズナブルな水準まで下落しています。2020年は再び利益を確保する見込みでありV字回復となれば株価が上昇する可能性があります。

株価上昇の要因②:すららネットは財務健全性は高い

主要な財務指標には大きな懸念は見られません。テンバガー候補として株価を上昇させていくにあたっては財務の健全性も重要ですが、特に大きな問題はなさそうです。

  • 自己資本比率:82.4%
  • 流動比率:411.83% 等

自己資本比率は80%を超えており、むしろかなり高い財務健全性を誇ります。2019年は赤字見込みですが、堅牢な財務状況を考えると懸念は些少と言えます。

株価上昇の要因③:株価に割安感あり

すららネットの株価推移

すららネットの株価は、2017年12月に上場して以来のピーク時から3分の1ほどの水準に落ち着いています。前述の通り、2019年決算が赤字見込みであることが主因です。

PER31.4倍と成長銘柄にしては、割安感が出てきています。また時価総額は41億円であり、規模拡大の余地は大いにありそうです。

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すららネットの事業や市場の展望を考慮すると長期的に見てテンバガー候補として成長が期待できる銘柄だと思えます

株価に影響を与える想定リスク

業績赤字の常態化する懸念

先述の通り、2019年12月期は赤字決算となる見込みです。以下が決算資料の抜粋ですが、人員増大やマーケティングにおける先行投資が要因です。

費用につきましては、次の事業の柱として期待するBtoCや海外マーケットの成長をさらに加速させるべ く人員を増やし、WebマーケティングやTVコマーシャルなどの広告宣伝に積極的に取り組んでまいりました。

その結果、当社全体の当第1四半期累計期間における売上原価は55,353千円(前年同四半期比20.8%増加)、販売費 及び一般管理費は300,517千円(前年同四半期比148.9%増加)となりました。

以上の結果、当第1四半期累計期間の営業損失は92,603千円(前年同四半期は41,424千円利益)、経常損失は 92,310千円(前年同四半期は43,132千円利益)、四半期純損失は64,691千円(前年同四半期は29,065千円利益) となりました。

出典:すららネット 2019年12月期 第一四半期決算

こうした赤字の常態がもし来期以降も継続した場合は、株価に大きな悪影響を与えるでしょう。2020年12月期は黒字回復する計画ではありますが、事業動向には注視が必要です。

まとめ:すららネットの株価は割安でありV字回復に期待しての仕込みは検討可

これまで見てきた通り、すららネットの事業はトレンドを捉えており、独自性のある商品を提供していることから市場規模およびシェア拡大に伴う成長が期待されます。

一方で、直近の業績は投資先行で赤字決算での着地となる見込みであり、業績が回復するかどうかは注視が必要です。V字回復を実現することに期待して、株価が割安な今の内に仕込んでおく、という選択肢は考えられます。

以下では、他にもテンバガー候補を分析しています。宜しければぜひご覧下さい

【内部リンク】
テンバガー(10倍株)候補一覧!厳選銘柄

【外部リンク】
株式会社すららネット
矢野経済研究所