株式投資の損失が出た場合、確定申告で源泉徴収分の還付を受けられる? | 株式投資アナリティクス@金融×戦略コンサル

コラム

確定申告は個人で実施する収入及び支出の一年間の総まとめです。納税は国民の義務のひとつであり基準に該当する場合は必ず手続きが必要です。

確定申告は給与年収2,000万円以下の会社員や公務員は実施する必要がなく、 多くの人にとって関係のない続きです。

しかしながらこの基準に該当して本来的には確定申告が必要ない人でも実は確定申告をした方がお得になるケースも存在します。

例えば、できれば避けたいことですが株式投資で損失を出した時には、確定申告の手続きを行うことで源泉徴収で支払った税金の一部について還付を受けることができる可能性があります。

TOSHATOSHA

そこで本記事では給与所得者が株式投資をしている場合に、源泉徴収された税金の還付儲ける方法について解説します

確定申告によって株式投資の損失を報告し源泉徴収された税金の還付を受ける

それではさっそく解説していきます。株式投資で損失を出してしまった場合に確定申告を実施し、税金還付を受けられるかもしれないのは以下の三つの基準に当てはまる人となります。

株式投資で特定口座で取引をしている

株式投資や投資信託への投資で売却益及び配当金を受け取り利益を獲得した

利益を獲得した期間において株式投資や投資信託の取引で損失が出た、あるいは前年からの損失の繰越がある

税金還付を受けられるのはなぜかという点についてご説明します。

特定口座では、源泉徴収ありですので株式投資や投資信託の取引で売却益や配当金で利益を得ると、取引のプラットフォームを提供している証券会社が所得税と住民税の20.315%を勝手に源泉徴収します。

株式投資や投資信託で損失が発生した場合に、確定申告によって年間の損益を合算し、勝手に利益から引かれてしまった源泉徴収の分について還付を受けることができます。

TOSHATOSHA

要するに、株式投資による損失をしっかりと確定申告によって報告することによって、過払いになっていた税金を取り戻すということです

たとえば1月に「源泉徴収あり」の特定口座に100円入金し、同額で買ったA社株を2月に120円で売却すると利益は20円となり20.315%の4円が天引きされ手元に116円が残ります。その後、3月にB社株を110円で買い4月に90円で売った場合、損失は20円となり特定口座に残るのは96円(116円-20円)です。

A社株にかかる利益が20円、B社株にかかる損失が20円になるため実際の損益はゼロですが、源泉徴収された4円分の資金が減ってしまいました。この取引を行った翌年に確定申告を行うと、払いすぎている4円の還付を受けられます。集計は1月ごろに証券会社から送られてくる年間取引結果報告書の内容を確定申告時に記入するだけと簡単です。

「源泉徴収あり」の特定口座は金融機関が税金の計算および納税を行ってくれるため確定申告しなくていいことがメリットになります。しかし状況によっては確定申告をしたほうが得をすることもあるのです。

特定口座は証券会社が自動で利益に対する税金の計算や納税を実施してくれるため、確定申告が不要となり煩雑な手続きがなくなることが大きなメリットですが、株式投資で損失を出した場合には自身で確定申告をした方がお得になることがあります。

TOSHATOSHA

どんなに優れた投資家でも、株式投資で損失を計上することはあるので、頭の片隅に必ず止めておきましょう

株式投資で出た損失を確定申告する際の留意点:譲渡所得および損益通算の概要

上記で説明したように株式投資や投資信託で得た利益と、同様の取引で発生した損失を相殺することを損益通算と言います。

損益通算では、同一銘柄の取引である必要はなく、複数の銘柄を取引したことによる損失や利益、あるいは投資信託も含めた売却益や分配金の利益と売却損を通算することができます。

しかしながら一方で、損益通算は万能ではなく株式取引と FX、 CFD、 仮想通貨取引は損益通算を行うことが不可能です。

株式取引の売却益は譲渡所得ですが分離課税方式を用いるため他の所得との損益通算できません。

これは株式投資の売却益が譲渡所得の分離課税方式を用いることに気にしています。分離課税方式を用いるため他の所得との損益通算ができないという構図です。

 FX や CFD、 仮想通貨取引は雑所得に分類されます。その中で FX と CFD は分離課税方式となるのに対し、仮想通貨は総合課税方式となります。

 FX 取引と CFD 取引は同じカテゴリーである分離課税の雑所得同士、その枠内で損益通算が可能ですが、仮想通貨取引や株式取引による損益とはスーさんができないという特徴があります。

また少し込み入った話になりますが投資信託の中での公社債投信の分配金は、利子所得に分配され、2016年から株式投資で発生した損失と損益通算ができるようになりました。

このように税務上のカテゴリーが存在する故に損益通算はかなり複雑ですが、端的に言うと「株式取引と投資信託は損益通算が可能」と覚えておきましょう。

また合わせて覚えておきたいのが株式投資の損失が多い場合に損失の繰越ができるという点です。損益通算した結果、株式投資や投資信託による損失が大きい場合、翌年から3年間繰り越すことが可能です。

TOSHATOSHA

そうすると翌年以降に発生した株式投資や投資信託の売却益や配当金・分配金による利益と相殺が可能で、税金の金額を抑えることができます

株式投資で損失が出た場合の確定申告のやり方

株式取引の確定申告をする方法については、税理士などの専門家が、ネットで記事を多数公開していますので、細かい点を含めて確認しましょう。

まとめ:特定口座(源泉徴収あり)を利用していても株式投資で損失が出た場合には確定申告で得する場合がある

源泉徴収ありの特定口座は、証券会社が自動で利益を天引きして納税してくれるので確定申告の必要がなくなり、非常に便利な制度です。

しかしながら、本記事で説明をしたように株式取引や投資信託で損失を計上している場合には確定申告をすると税還付が受けられるケースがあります。

ですので証券会社が作成してくれる年間取引結果報告書を見ながら、必要に応じて確定申告を実施するかどうか検討することをお勧めします。

TOSHATOSHA

税務の詳細についてはお付き合いのある税理士や公認会計士とご相談されることをお勧めします

Visited 1 times, 1 visit(s) today

コメント

タイトルとURLをコピーしました