この記事は、ビットポイントジャパンの仮想通貨不正流出事件に関するまとめと、親会社であるリミックスポイントの株価への影響についてまとめています。

リミックスポイントの株価への悪影響は必至です。不正流出が明らかになった2019年7月12日は、▲18.6%下落してストップ安となっています。

またリミックスポイントは仮想通貨事業を今後の成長領域として位置づけており今回の事件は同社業績に悪影響を与えることは必至です。従って、株価も当面は軟調に推移する可能性が高いでしょう。

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それでは、仮想通貨流出事件のあらましやリミックスポイントの株価への影響について詳細を説明します

ビットポイントジャパンによる仮想通貨流出事件の経緯

東証二部に上場しているリミックスポイント社は、傘下のビットポイントジャパンが運営する仮想通貨交換所「BITPoint」で、仮想通貨35億円分が不正流出したと発表しました。

リミックスポイント社が出したリリースによると、7月11日の夜に不正な流出を確認し、7月12日の午前に仮想通貨の全サービスを停止しました。以下は、リミックスポイント社のプレスリリース抜粋です。

2. 経緯

(中略)
2019 年7月 11 日 22 時 12 分頃:
リップルの送金に関するエラーを検知、BPJ(ビットポイントジャパン) の情報システム部門等で対応開始

22 時 39 分頃:
リップルの不正な流出を確認、他の仮想通貨の流出の有無の調査を開始

2019 年7月12 日2時 00 分頃:
リップル以外の仮想通貨についても不正流出を確認

3時 00 分:
BPJ にて緊急会議を実施

6時 30 分:
BPJ における仮想通貨の送受金を停止

10 時 30 分:
仮想通貨の売買・交換を含む、BPJ の全サービスを停止。

出典:ビットポイントジャパン「仮想通貨の不正流出に関するお知らせとお詫び」

流出した通貨は「ビットコイン」「ビットコインキャッシュ」「イーサリアム」「ライトコイン」「リップル」と言われています。

また、ハッキングを受けて流出した全額がオンライン上の「ホットウォレット」に保管されていたようです。

ビットポイントジャパンは自社の保管所を「ウォームウォレット」と名付けていました。オンラインにつなぎながらも秘密鍵が暗号化されているなど、よりセキュリティーレベルが高い状態で仮想通貨を管理していたとされています。

実際に、以下の通りセキュリティレベルは情報セキュリティ格付会社のAISより、一定程度の評価を受けていました。

【情報セキュリティ格付取得のプレスリリース】

出典:ビットポイントジャパン プレスリリース

それにも関わらず、ハッキングによってセキュリティを破られ仮想通貨が流出してしまいました。総額35億円のうち、顧客からの預かり分は25億円、自社分は10億円です。

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金融庁はこの報告を受け、ビットポイントジャパンに対して報告命令を出す方針です。不正流出の詳細はまだ明らかになっておらず、今後流出の経緯や原因について調査が実施される予定です

仮想通貨の基礎的な知識について、以下の記事にまとめています。あまり仮想通貨に詳しくない方や興味がある方はご参照ください。

ビットポイントジャパンの概要

ビットポイントジャパンは仮想通貨取引所事業を展開する リミックスポイントの傘下企業です。2016年3月期に設立された非常に若い会社です。

同社の報告によれば、業務改善命令が下る前の2018年3月期には売上48億円、純利益25億円を計上していました。収益性は高いと言え、事件が無ければリミックスポイントグループの事業の柱となっていたかも知れません。

リミックスポイントの概要

出典:ビットポイントジャパン Webサイト

リミックスポイントは東証二部に上場しており、ビットポイントジャパンが手掛ける仮想通貨事業以外では、電力小売・中古車販売・ホテル開発を展開する企業です。

やや風変わりな企業であり、その時々の時流に応じた事業を展開しています。仮想通貨事業はその典型です

仮想通貨事業は、リミックスポイントの次世代の柱とすべく同社の経営戦略上でも成長事業と位置付けられていました。

出典:リミックスポイント「決算説明資料」

リミックスポイントの2019年3月期の業績は、売上高118億円、純利益▲18億円であり赤字は仮想通貨事業の不振が主な原因です。

業務改善命令への対応コストに加え、コインチェック等の不正流出事件で仮想通貨自体の取引量が減ったことも影響しています。

一方で、過去には2度テンバガー化したこともある銘柄です。以下の記事でリミックスポイントについて分析しています。

リミックスポイントの株価への影響

2019年7月12日の仮想通貨不正流出の発表を受け、株価は▲18.6%と大幅下落しストップ安となりました。

成長事業と位置付けていた仮想通貨事業の見通しが立たなくなり、今後の株価回復は非常に厳しいと想定されます。

2019年5月に発表した2020年3月期は売上高128億円、純利益▲1.6億円で赤字幅縮小を計画していましたが、今回の事件を受けて下方修正を余儀なくされる想定でいた方が良さそうです。

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前述の通り、当社の直近の業績は仮想通貨事業の不振を背景に赤字に転落してしまいましたが、仮想通貨事業の見通しが立たなくなった今、2期連続で赤字を記録する可能性が高まっています

また本件がここまで注目を集めると、他事業への悪影響が出る可能性があります。仮想通貨事業と直接関係が無い取引先でも、レピュテーションリスクを抱えるリミックスポイントとの取引を敬遠する企業も出てくるでしょう。

リミックスポイントにとっては、かなり厳しい状況であると判断せざるを得ません。

ビットポイントジャパンの仮想通貨流出事件が意味すること

仮想通貨への信頼が再び損なわれる恐れ

2018年の不正流出事件以来、金融庁による業務改善命令により多数のビットコイン取引所事業者がセキュリティの強化に勤しんできました。

しかしながら、今回の事件により再び仮想通貨のセキュリティへの信頼が失われてしまう恐れがあります。

タイミングが悪いことに、ビットポイントジャパンはつい2週間前の2019年6月28日に金融庁による業務改善命令が解除ばかり(=問題ないレベルのセキュリティを確保したと認められた)でした。

【2019年6月28日付けプレスリリース】

当社は、2018年6月22日に関東財務局より資金決済に関する法律第63条の16の規定に基づき、仮想通貨交換業の適正かつ確実な遂行のため、業務の運営に必要な措置を講じるよう、業務改善命令を受けました。当社は本処分に基づき、2018年7月23日に業務改善計画を提出し、その進捗と実施状況を継続的に報告して参りましたが、このたび、継続的な報告が終了となりましたことをお知らせいたします。

当社は、引き続き経営管理態勢、ならびに内部統制の充実・強化を図り、法令遵守態勢を維持・向上させるとともに、お客様の利便性向上を含んだ質の高いサービスを提供することができるよう、全社一丸となって取り組む所存でございます。

出典:ビットポイントジャパン「 2018年6月22日付業務改善命令の報告義務解除について 」
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金融庁が「お墨付き」を与えた矢先の不正流出事件であり、仮想通貨への信頼が大きく揺れ動く事態となる可能性が高いです

まとめ:リミックスポイントの株価は下落が予想される。しばらく様子見が吉

これまで見てきた通り、リミックスポイントの経営状況は非常に厳しい状態にあります。従って、当面は買いで入るのは控えた方が良さそうです。

仮想通貨の不正流出の全貌も、リミックスポイントの株価への影響もこれから明らかになっていくと思いますので、動向を逐一チェックしてアップデートしていきたいと考えています。