こちらの記事では、パワーポイントのテンプレートやデザインを決める前にプレゼンの価値を高めるために熟慮したい事項である、「目的」「状況」「メッセージ」「ストーリー」「今後の予定」についてコンセプトをご説明します。より具体的な内容は、別途ご提供させていただく予定です

加えて、パワポ作成やプレゼンにおいて重要な、ストーリーに必要な要件やストーリーを構成する1枚1枚のスライド作成の大原則・コツもお伝えします。

パワーポイントを作成する時に、ついつい「どのようなテンプレートにしたらきれいに見えるか」「どんなデザインにしたらわかりやすく伝わるか」ということを考えがちですが、より重要なのはプレゼンの目的を明確化し、伝えるメッセージをクリアに分かりやすくすることです。これにより、パワーポイントの質や作成の効率が段違いに上がります

こちらの内容は、私自身が外資系戦略コンサルタントとして培ってきたスキルやノウハウをもとに構築しておりますが、数千枚以上のスライドを作り、クライアントの前でプレゼンしてきた経験を踏まえております。

それではパワーポイントのテンプレートやデザインの前に考えるべき項目についてご説明して参りましょう。

パワポのテンプレートやデザインの前に考える5つのポイント

テンプレートやデザインの前にまずパワ-ポイントの目的は何かを考える

テンプレートやデザインを決める前工程でまず重要なのは、そもそも今から作るパワーポイント資料がなんのために存在するのか?を明らかにし、チームで共有することが重要です。パワーポイント資料の目的は以下のようなものが例として考えられます。

【目的の具体例】

  • 何かを報告・説明する
  • 何かしらの意思決定・アクションを取ってもらう
  • ある事項について合意する
  • ある議題について討議する
  • 情報を整理する

パワーポイント資料がどのような目的で作られるかによって、資料の構成や大枠の内容、スライドの中身やテンプレート・デザインが大きく変わってきます。

例えば、業績の報告・説明をするだけであれば強いメッセージや美しく分かりやすいストーリーはそれほど重要ではなく、報告すべき情報がすべて網羅されているか、といった点がポイントになってきます。

一方で、意思決定やアクションを迫る場合は、プレゼンする側が「こうすべき」という意見や提案をすることになり、その具体的な内容と、「なぜそうしなければならないか」の説明が必要です。

目的を明らかにした上で、それをパワーポイントの作成に携わるチームメンバーに共有するようにしましょう。目的を共有することで自分が何のために作業するのかが明確化され、作業や考える際の軸ができて効率的に進めることができます。

パワーポイント資料がどのような状況で使われるか考える

まず目的を明らかにしたら、次にこれから作るパワーポイントがどのような状況で使われるのかを明らかにし、こちらもチームで共有しましょう。資料の構成や内容、テンプレートやデザインがやはり変わるからです。

具体的には、パワーポイントをプレゼンするとしたら、その場に誰がいるのか、その会議はどのようなアジェンダでそのプレゼンはどんな位置付けか、会議の時間は何分でプレゼンに何分使えるか、質疑応答の時間をどうするか、といった点です。これによって、作るパワーポイントのトーンや枚数が大きく変わってきます。

極端な例でいうと、プレゼンするのが経営会議なのか、気心しれた上司との議論用ミーティングなのかで資料の完成度や中身は全然違います。また例えば経営会議でも提案に賛成してくれる味方しかいないのか、敵もいるのかによって内容が変わってきます。

デザインやテンプレートを決める前に、目的に沿ってパワーポイント資料が使われる状況をつぶさに確認し、作成チームで意識合わせをすることで、よりパワーポイントの質と作成の効率が向上します。

テンプレートやデザインの”素”としてどのようなメッセージを伝えるかを考える

目的とプレゼンの状況をチームで共有したら、それらを踏まえてそのパワーポイント資料で何をメッセージとして伝えるか、を決める必要があります。強弱はあれど、メッセージのないプレゼンはありません。メッセージがテンプレートやデザインを形作る”素”になります。

メッセージは、最初から仮説としてありそれを検証・進化させていくのが最も早く理想的な進め方ですが、現実的には難しいことも多いでしょう。その場合は、調査したファクトや議論を通してメッセージを考えます。

メッセージは、目的に沿った「答え」となることが肝要です。例えば商品戦略の意思決定を迫るのであれば、具体的に商品戦略をどうするかの答えが無ければ意思決定することはできません。単なる事実の羅列や問いかけで終わらないように注意しましょう。

プレゼンのストーリー・章立てをどうするかを考えテンプレートやデザインに落とす

テンプレートやデザインの素となるメッセージを決めたら、プレゼンのストーリーを決めます。パワーポイント資料の構成・章立てです。メッセージとして伝えることをストーリーにして面白く、分かりやすく、相手のYesを引き出すように作ります。

ストーリー構築にあたって考えることは、端的に言うと「ストーリーでどのような論点(イシュー)答えるか」「それらの論点に対する答えは何か」と「なぜその答えになるか(答えの根拠)」「この後はどうなるか」です。これらの中身が決まった後に、パワーポイントの作成に取り掛かるのが効率的です。

このストーリーの大枠が決まり、1枚1枚のスライドのメッセージが決まれば、ようやくパワーポイントのテンプレートやデザインが決まってきます

どのような論点(イシュー)に答えるか

パワーポイントの資料上で、どのような論点=イシューに対して答えを出すか?をまず考えましょう。そうすることで、どのような答えを出せばよいのかが明確になります。

端的でオーソドックスな例を考えてみると、さきほどの商品戦略について意思決定する、という目的であれば、以下のような論点が設定されるでしょう。

【論点設定の例】

  • 商品戦略を策定する背景や目的は何か
  • 目的を踏まえ具体的な商品戦略はどのようか
  • その商品戦略によってどのような効果が得られるか
  • 商品戦略をいつどのように実行するか

こちらの論点はかなり抽象度が高くなっていますが、実際にパワーポイントを作成する手前の段階では、これらの論点が更に具体的に分解されたサブ論点があり、サブ論点にも答えていく資料をつくることになります。

論点の設定は非常に重要です。的を外した解く価値がない論点を設定してしまうと、全ての検討やそれに従って作成したパワーポイントが無意味になってしまいます。検討には十分に議論を重ねましょう。

論点に対する答えは何か

解くべき論点を設定したら、その答えを検討します。答えはプレゼンでもパワーポイント資料上でも最も重要であり、重要な論点に対する答えはいわゆる「キースライド」として作成されることになりますし、パワーポイント資料の大部分はこの答えの内容を紙に起こしたものなります。

なぜその答えになるのか

ビジネスの意思決定においては、ひねり出した答えに対して「なぜそうしたほうがいいのか/それでいいのか」という根拠が必ずなければなりません。その部分もパワーポイントで資料化することになります。

なぜの部分は、答えとセットになりますが、検討の順序はなぜ⇒答えか、答え⇒なぜの両方とも有り得ます。特に仮説ベースで進めている場合は、調査や議論を重ねる中で、答えとなぜがどんどん変化・進化します。

なぜの中身として、例えば前述の商品戦略であれば、「顧客ニーズ調査の結果」「競合他社の商品戦略の事例」「自社の強み」の3つ(いわゆる3C分析)が組み合わさっている、といったものが考えられます。

プレゼンが終わった後はどうなるか

そのプレゼンが終わった後に何をしなければならないか、という点も考えておく必要があります。積み残し事項の対応、意思決定された場合の具体的なアクション、今後の想定スケジュールが該当します。

パワーポイント資料上は、クロージングとして1枚用意することになります。上記の事項を、テキストやスケジュール表で表現するスライドになるでしょう。

プレゼン・パワポのストーリーを考えるにあたって重要なポイント

ストーリーとはいわゆるパワーポイント資料の構成であったり、プレゼンで語るお話の流れです。「面白い」「分かりやすい」「説得力がある」ことが大前提になりますが、美しいストーリを作るために特に重要な要件をお伝えします。

一般論ではなく具体的に語られている

一般論をこねくりまわしてもそのプレゼンやパワポ資料に価値はありませんし、何も面白くありません。あなたの企業や部署を取り巻く独自の環境や、他にはないならではの具体的な提案があるからこそプレゼンする意義があります。

ストーリーが話として繋がっている

プレゼンとしても、パワポ上でもストーリーが話として繋がっていることは、分かりやすさを担保する上で重要になります。最初から最後まで途中で話が飛んだり、途切れたり、過不足がある状態だと、聞き手の理解を大きく妨げる、あるいは無駄な突っ込みをうけますので気をつけましょう。

ストーリーになぜが組み込まれている

プレゼンに説得力を持たせるためには、提案の根拠となる「なぜ」が不可欠です。キーとなる答えのスライド以外は、その答えに説得力をもたせる「なぜ」に関するスライドだけでも良いくらいです。「なぜ」を強く組み込み、相手に「Yes」と言わせる構成を心掛けましょう。

テンプレートやデザイン以外で1枚1枚のパワポスライド作成で重要なポイント

全体の構成としてのストーリーについて言及してきましたが、個別のスライド作成の大原則とも言えるポイントで、特に大事な要点をご紹介します。

1スライド1メッセージ

1つのスライドで1つのメッセージを伝えるのが、パワーポイント資料作成上の鉄則です。聞き手にとって圧倒的に分かりやすくなります。ついスライドにところ狭しと情報を盛り込み、たくさんのことを伝えたくなりますが、分かりづらくなりますのでやめるべきです。

プレゼンを意識した構成にする

スライドは、プレゼンで説明することを念頭に作る必要があります。例えば、プレゼンは左から右、上から下に流して説明するのが基本ですが、その順番で説明してもおかしくない構成にする必要があります。

可能な限りビジュアルで伝え視覚に訴える

グラフやイメージ図を積極的につかうと分かりやすくなりますので、出来る限り使うようにしましょう。人間は視覚に訴えた方が理解早く、逆に文字ばかりのスライドになると読むのに忙しくなり説明や議論ができないためです。

文字数は極力減らしシンプルにする

相手に伝わるように分かりやすくするためには、スライド上の文字を減らし、シンプルにする必要があります。冗長な文章はやめ、不要な文字は可能な限り減らすように努めましょう。

パワポ作成作業でやってはいけないこと

中身が決まる前にパワポを作り始めるのは絶対にやめましょう。パワーポイントで図形をいじりながらデザインやテンプレートを考える人もいますが、
効率が著しく悪化します

パワポ上で図形を配置したり、きれいに整えるのは非常に手間がかかります。 パワポは基本的に作業に時間がかかるものであり、生産性を下げる要因になるので、最大限効率化しましょう。

まとめ:パワポのデザインやテンプレートの前に中身を決めれば価値も効率も上がる

パワポのデザインやテンプレートを考えたくなる気持ちは良くわかりますが、その前に紙に落とす具体的な中身を検討して決めることで、パワーポイント資料の質も、作成の効率もグンと向上します。

ここでは、ざっと概要を述べて参りましたが、こちらの記事をご参照頂くことで皆さまのパワポ作成がより良いものになることを祈っております。この記事の内容はあくまでコンセプトレベルに留まっておりより具体的な考え方ややり方は別途、ご提供できるようにしたいと考えております