この記事では、高配当株のFPG(7148)について分析しています。

FPGは高い利回りを誇る高配当株であり、また株価は直近の底値やトレンドライン近辺で反転したチャートパターンを描いていて、魅力的な銘柄です

一方で、長期的な視点でみると、同社が販売する主力の金融商品は節税を一部目的としていますが、そうした金融商品の規制は厳しくなる風潮にあり、業績に多大な影響を与えかねず注意が必要です。

直近の高値付近までの上昇を狙った、短中期的な保有を念頭にエントリーする方法が良いでしょう。

※投資は自己責任でお願いします

FPG (7148) の事業概要

出典:FPG

FPG (7148) の事業内容

「FPG」とは、「Financial Products Group」の略です。

同社は企業向けに航空機リース等を対象にしたオペレーティングリースを組成・販売しています。多くの方にとっては馴染みが薄い事業かも知れません。。。

同社は、企業が課税を繰延できるリース商品を販売しており、事業を成長させてきました。会計事務所や地銀と提携して事業の拡大に努めています。

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本業の航空機リース以外にも、保険仲立など事業の多角化を進めています

FPG (7148) の事業動向

主力のオペリース商品の手数料率が下がってきており、収益性低下が見られます。一方で、中堅企業の課税繰延需要は強く残っており、事業は成長を続けるでしょう。

保険の仲立人・代理業も成長を持続しています。

成長に伴う体制強化も順調に進んでおり、2019年9月期は増収増益(売上高250億円、利益100億円)を見込んでいます。

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販売商品が金融商品であるため、最終利益率は40%とかなりの高水準です

【参考】FPG Webサイト

FGP (7148) をおすすめする(株価が上昇する)要因

FPGの事業はリースが主体であり、付加価値が高い金融商品であるため最終利益率は高水準である、と解説しました。

以下では、FPGの株価が今後上昇する可能性を秘めている要因をご説明します。

株価上昇の要因①:高い配当利回り

配当利回りは4.58%とかなり高い水準にあります

日本国内の上場企業の配当利回り平均がおよそ2%ですので、高配当株と言えますね。

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後述しますが、高い配当利回りは積極的な株主還元政策の賜物です

株価上昇の要因②:高い収益性

収益性が非常に高い点も魅力的です。

2018年9月期の実績は、売上220億円、最終利益90億円であり、利益率が40.9%を超えています。

理由としては、航空機オペレーティングリースという付加価値が高い金融商品が主力商品だからです。

複雑な金融スキームを構築し、販売する商品であり、製造業や小売業のようにものをつくったり仕入れたりする必要がありません。

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そのため、製造原価や売上原価が発生せず、高い収益性を維持しています

株価上昇の要因③:積極的な株主還元で増配

FPGは2015年9月期から連続増配を続けています。

配当金は以下のようなペースで増えています(1株あたり配当金(円))

  • 2015年9月期:24.5円
  • 2016年9月期:35.5円
  • 2017年9月期:45.8円
  • 2018年9月期:49.25円
  • 2019年9月期:53円(予定)

事業の特性として高い収益性を誇り、かつ既存契約が継続的に収益を生み出すストック型ビジネスであるため、配当も出しやすい収益構造になっていることが要因です。

株価上昇の要因④:株価はトレンドライン付近で反転

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FPGの株価は、増配を開始した2015年以降で見たときの、底値付近・トレンドライン上に位置しています。

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レンドラインの定石で言えば、理想的なチャートパターンを描いていて、仕込み時と言えます

今後の株価を占う想定リスク:課税繰り延べ目的の商品は問題ないか?

高配当株として魅力的なFPGですが、リスクも考えられます。

一番のリスクは、同社が扱っているような課税を繰り延べるリース商品の規制です。

現在は、同社商品は問題なく販売ができています。

しかしながら、昨今の規制動向を見ると、当局により課税繰り延べや節税に対するメスが入っており、将来的に大きなリスクでしょう。

例えば、記憶に新しいのが企業保険商品向けの金融庁の対応です。

政府からすれば、本来的には取れるはずだった税金が、繰り延べされてしまうのですから、今後もそのような商品の販売を差し止める可能性があります。

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従って、購入した場合は、規制動向の情勢も踏まえつつ、売却のタイミングを探る必要があります

ベストな売却タイミング:短中期で売却する

規制が変更になるリスクを踏まえ、最大でも1~2年の期間で売却することをおすすめします。前述のチャートで言うと、2018年初頭の高値付近を目指すイメージです。

FPG (7148) の株価に影響する最新動向

2019年7月31日にFPGの2019年9月期第3四半期の決算発表がありました。前年対比で増収増益での着地ですが、経常利益の通期計画に対する進捗率は68.1%で、若干の遅れが見られます。

【FPGの業績ハイライト】

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出典:FPG

売上高は前年対比+21.8%、経常利益も+4.4%で増収増益となっています。第4四半期は計画を達成するために利益確保に注力する計画。

売上高、営業利益、経常利益とも前年同期を上回るが、経常利益の通期予想に対する進捗率は68.1%となっており、第4四半期での利益確保に注力。出資金販売額累計では、第1四半期の出遅れを概ね回復

出典:FPG 2019年第三四半期決算

組成金額の増加は、海外関係会社との連携強化により、欧州・中東・アジア・オセアニア・北米・南米へと事業対象エリアを拡大した成果が出ています。

【決算発表後のFPG株価推移】

FPGの株価推移

決算発表後は、結果を好感して株価が上昇しています。

【FGPの株主還元政策】

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出典:FPG「2019年9月期第二四半期決算」

FPGは積極的な株主還元政策で持続的な増配を目指す方針です。上記グラフで確認できるように、1株当たり配当金は2010年から増加し続けています。

ただ配当性向が47.7%であり、配当を増加させる余地がやや小さくなって来ている点は留意する必要があります。

連続増配を継続する企業のパフォーマンスは高い傾向にあります。以下の記事では連続増配中の日本株について詳細を紹介しています。

【内部リンク】
連続増配中の日本株おすすめ一覧 – 厳選5銘柄

まとめ:FPG (7148) は高配当株として魅力的、買う良いタイミングだが保有期間に留意!

FPGは配当利回りの水準が高く、また株価は直近の底値やトレンドライン近辺で反転したチャートパターンを描いており、魅力的な銘柄です

高い収益性を誇る事業を展開し、業績は堅調推移を継続する可能性が高いでしょう。 一方で、長期的な目線で考えると、規制リスクには要注意です。

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直近の高値付近までの上昇を狙った、短中期的な保有を念頭にエントリーする方法が良いでしょう

下記記事では、FPG以外の高配当株の厳選銘柄ランキングも公表しています。宜しければぜひご覧ください!

【内部リンク】
高配当株のおすすめランキングベスト11 – “超”厳選銘柄