この記事では、高配当株であるヤマトインターナショナルについて分析しています。

ヤマトインターナショナルは4%を超える高い利回りを誇り、また株価は長期的に見て底値近辺で推移しています。配当目的での長期保有がしやすい銘柄です。

70%を超える高い配当性向、配当金に必要な多額の現金を保有しているため、今後も安定して配当を出し続けることが予想されます。

分析においては、銀行勤務で培った企業デューデリジェンスのスキルを活用して多角的な視点で精査しています。

※投資は自己責任でお願いします

ヤマトインターナショナルの事業概要

同社はカジュアル衣料が主軸の中堅アパレル企業です。『クロコダイル』が主力ブランドです。販売網として、百貨店・スーパーでの商品販売の他、ショッピングモールやアウトレットモールの直営店、自社ECサイトなどを運営しています。

「クロコダイル」ブランドは、ワニのロゴで有名で、ヤマトインターナショナルの主力ブランドです。また歴史も古く、誕生してから50年以上も顧客に愛されています。

「クロコダイル」ブランドは、メンズからレディース、スポーツなどを含めたあらゆるジャンルを手掛けています。また最近の動きとしてオンライン専用のブランド「CITERA」や「ペンフィールド」をスタートさせています。

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会社設立は1947年で70年以上の業歴を誇り、入れ替わりの激しいアパレル業界の中で珍しい老舗企業です

【外部リンク】ヤマトインターナショナル Webサイト

柱の「クロコダイル」ブランドの店舗数は2019年8月期は純増+12店です。前期は+34店であり、老舗ながら順調に店舗数を拡大しています

既存店の売り上げは横ばいで推移していますが、前期に出店した新規店舗や売り場拡大が売上に寄与しています。ECサイトも利益に貢献しています。

「クロコダイル」は主要顧客60~70代に照準絞り、旅行や健康などシーン別の商品開発強化。EC上のブランドだった「ペンフィールド」は2018年8月にリアル店舗を新宿に出店し、次の出店も計画されています。

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出典:楽天証券

店舗拡大やECサイトでの売上拡大を見込み、2019年8月期、2020年8月期共に増収増益を計画しています。

ヤマトインターナショナルの株価が上昇する要因

ヤマトインターナショナルの事業について見てきました。ここからはヤマトインターナショナルの株価が上がる要因について説明していきます。

株価上昇の要因①:高い配当利回り

配当利回りは4.45%と高い水準にあります。日本国内の上場企業の配当利回り平均がおよそ2%ですので、高配当株と言えますね。

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高い配当利回りは、国内企業での類を見ないレベルの株主還元政策と多額の現金保有のおかげです

株価上昇の要因②:積極的な株主還元政策

株主還元性向がなんと70%です。最近の株主重視の潮流でどの大企業も~30%や~50%の株主還元性向を目標にしています。

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ヤマトインターナショナルはその水準の更に上を行く70%です

株価上昇の要因③:豊富な現金を背景にした安定配当

過去からの蓄積により多額の現金を保有しています。その水準は2018年8月期決算ベースで72億円、純利益のおよそ14倍の水準です。

配当性向70%を支える要因の一つでもあります。配当は利益から分配されますので、14倍もあれば将来にわたって安定して配当を継続できます。

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また経営の安定性・財務の健全性の意味でもプラス要因ですね

おすすめの要因④:株価は長期で見た底値付近に位置で買い時

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株価は、長期的に見た底値付近に位置しています。2006年に株価が高騰しているので長期で見ると低位で安定して株価が推移しているように見えます。

直近の5年に絞って見ましょう。

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2018年半ばに株価は急騰しましたが、それ以降は徐々に下落し元の水準に回帰しています。現在の株価水準が当社の実力と言えそうです。

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この水準で購入しておけば悪材料が出ない限りは、株価の乱高下に悩まされることもなく安定して配当がもらえそうですね

想定されるリスク:主力ブランドへの傾倒リスクはないか?

これまで見てきた通り高配当株として魅力的な銘柄であるヤマトインターナショナルですが、リスクも考えられます。一番のリスクは主力の「クロコダイル」のブランドとしての持続力です。

シニア層が主要顧客かつメインターゲットなので、大きな変化が起こる可能性はそれほど高くはありません。実際に50年以上もそのブランド力を維持しています。

しかしながら、もし競合の台頭でクロコダイルのブランド力が低下すると、一気に同社の業績は悪化するでしょう。次のリスクとして、「ペンフィールド」等の新規ブランドの成功可否です。

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新規ブランドの立ち上げがうまく行かなければ、成長が鈍化し、株価にも影響を与える可能性はあります

ベストな売却タイミング:気長に長期で保有して上がったら売る

高い配当利回りを長期的に享受しつつ、気長に待って株価が上昇したら売り抜く戦略が良いでしょう。老舗であり事業基盤は確固としてものがあって、安定配当も期待できるためです。

一方で、ECブランド立ち上げ・リアルへの進出も進めており、成長の可能性も残っています。株価が大きく反応するとしたら、そうした新規事業の立ち上げです。

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その時は、前述のチャートで言うと、直近の高値付近(1株=600円前後)を目指すイメージです。また万が一、減配になった・続いた場合は売却を検討したほうが良いでしょう

ヤマトインターナショナルの株価を占う最新の動向

ヤマトインターナショナルの最新の動向はどうなっているかチェックしてみましょう。

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出典: 2019年8月期 第二四半期決算

2019年8月期の第二四半期は前年対比増収ながら減益で着地しました。売上高90億円(前年対比+1.8%)、経常利益5.7億円(前年対比▲9.0%)です。

減益となった要因の一つに粗利率が下落したのが要因のようです。

【決算説明より抜粋】

夏物在庫の消化促進、9月の自然災害や暖冬の影響

秋冬在庫の消化優先により粗利率▲1.7pt減

2019年8月期 第二四半期決算
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通期の業績予想は変わりません。ECサイトの売上は年々順調に伸びており第二四半期も前年対比+15%で伸びていますので更なる収益への貢献が期待されます

まとめ:ヤマトインターナショナルは安定的に配当を受け取れる銘柄!

ヤマトインターナショナルは利回りの水準が高く、安定配当が見込め、株価は直近の底値近辺で推移していて、長期保有して配当を享受することができる銘柄です

高い安定性がある事業で業績は堅調推移を継続する可能性が高いでしょう。

また株主配当性向が非常に高く、多額の現金を保有していることからも安定的な配当継続が期待できます。

一方で、長期的な目線で考え、気長に株式を保有する戦略がおすすめです。

下記記事では、ヤマトインターナショナル以外の高配当株の厳選銘柄ランキングも公表しています。宜しければぜひご覧ください!

【内部リンク】
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