低位株(ボロ株)は大きく値上がる可能性がある一方で、ハイリスクでもあります。株価が安くなるには、当然ながら相応の理由があり、それは業績悪化や不祥事だったりします。
こちらの記事では、そんな低位株の一つである「ジースリーホールディングス」について分析しています。
ジースリーホールディングスは、太陽光発電事業を主力としており、業績の推移や今後の展望、配当状況からも低位株の中では比較的、魅力的です。
2019年7月に入って株価が急騰していますが、理論株価と現在の株価の乖離が非常に大きいことを株情報誌で取り上げられたことが要因である可能性があります。

取り上げたダイヤモンド・ザイ誌が発表した理論株価は3,973円で、現在の株価よりも10倍以上高い水準です
※最終的な投資判断は自己責任でお願いいたします
ジースリーホールディングスの事業概要
同社事業は太陽光発電が主力です。
ギャル向け雑貨店や女性向けコンセプトマーケティング企画・プロデュース事業や、米国発のバーガー店事業を展開しています。
固定価格買い取り制度の改正により、今後稼働する発電所の売電価格が下がり、事業の収益性は悪化する見込みですが、売電で安定収益稼ぎつつ、新たな収益源を模索しています。
その一部として、『ファットバーガー』事業は直営2号店出店検討しています。

多角的に事業を進めており、事業推進のやり方としては非常にユニークな企業です

業績は増収増益基調で推移しており、配当も増加しています。
ただ2019年8月期は、売上57億円、純利益4億円を計画しており、純利益は前年度割れで着地する見込みです。
ジースリーホールディングスの株価上昇に向け鍵となるポイント
株価を上昇させる要因①:ファットバーガーなどの新規事業の成長
過去には、電力自由化の波にのり、太陽光発電事業で株価を大きく上げたジースリーホールディングス。
しかしながら固定価格買取制度の改正で、太陽光発電事業についてこれまでのような大幅な利益の向上は期待薄です。

今後は、米国ロサンゼルスは発祥で、世界20か国で200か所以上の店舗を展開する「ファットバーガー」事業が成功するか否かに業績がかかっています
まずはファットバーガー事業の黒字化で、その後に店舗出店によって事業を軌道にのせ、利益を拡大していく成長戦略を実現する必要があります。
世の中の潮流が健康志向にある中で、「ファットバーガー」というブランドでどのようなターゲットを取り込むか、またどのようなブランドイメージを作り上げるか、が鍵となります。
株価を上昇させる要因②:低位株ならではの割安感と高い配当利回りは魅力
PER10.3倍、PBR2.4倍で、PERで見ると若干割安感が出ています。
またジースリーホールディングスの配当利回りは4%前後です。全上場企業の平均がおよそ2%前後ですから、高い水準にあるといえるでしょう。
株価を上昇させる要因③:理論株価との乖離
ジースリーホールディングスの理論株価は公表している媒体によって数値はことなりますが現在の株価の10倍とも2倍とも言われています。

詳しくは「最新動向」の項で解説しますが、理論株価との乖離に着目すると割安と言えます
想定されるリスク
リスク要因①:脆弱な財務基盤
ジースリーホールディングスの自己資本比率は19.4%であり、十分な財務健全性があるとは言えません。この点でハイリスクと言えるでしょう。
流動比率も100%ぎりぎりの水準であり、この点でも財務基盤が強いとは言えません。
リスク要因②:2019年8月期決算の進捗率を踏まえると減配の可能性あり
ジースリーホールディングスは今期の第三四半期まで経常赤字を続けており、若干の黒字を維持していた前年対比で業績が悪化しています。
毎年、第4四半期に利益が大きく上乗せされる収益構造なので今年も黒字で終わる可能性は高いのですが、前年対比の進捗率からすると減益になる可能性が否めません。

そうすると、前期1株=15円だった配当が減配になってしまう懸念があります。減配が発表されれば株価も下がってしまいますので大きなリスクです
ジースリーホールディングスの株価を占う最新動向
理論株価と実勢株価との乖離

ジースリーホールディングスの株価は2017年途中から下がり続けています。
2019年6月まで株価が下落していましたが、業績が想定よりも芳しくないことが主因で、前述の通り、太陽光事業において売電価格が下がってしまったことが要因です。
2019年8月期の第三四半期決算も大幅な経常赤字で散々な結果でした。しかしながら2019年7月に入り株価が急騰しています。
【7月以降の株価推移】

目立った材料が出ておらず推測の域を出ませんが恐らく、理論株価と現在の株価の乖離が起点ではないかと思っています。元々、各所で発表されている理論株価よりはかなり低い株価水準ではありました。
最近になってダイヤモンド・ザイ2019年8月号で公表された理論株価は3,973円で、理論株価よりも株価が割安な株ナンバーワンに選ばれています。現在の株価から10倍以上の乖離がありますね。
【理論株価】

一方でみんなの株式のデータによると、理論株価は742円です。現在の株価とはおよそ2倍の乖離です。
両者の違いは理論株価の定義によるものだと考えられますが、いずれにせよ現在の株価が理論株価と比較するとかなり割安なようです。
まとめ:ジースリーホールディングスは割安感・配当利回りで魅力あり!ただハイリスク
主力の太陽光事業を安定操業すると共に、ファットバーガー等の新規事業での成長が株価上昇の鍵です。一方で、太陽光事業の更なる収益性悪化や、新規事業の収益化失敗といったリスクを抱えています。
最新の動向として、恐らく理論株価を現在の株価が大きく割り込んでいて割安感が出ていることから、2019年7月は株価が急上昇しています。
割安感や配当利回りは魅力的ですが、自己資本比率は低位にあります。事業や指標の分析から結論付けると、総じてハイリスク・ハイリターンといえます。
以下の記事では、ハイリスクハイリターンな低位株のおすすめや、投資する際のポイントをまとめていますので、是非ご覧ください!
【内部リンク】
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