株式分割すると株価は上がるのか?仕組みを解説 | 株式投資アナリティクス@金融×戦略コンサル

コラム

ある日、いつものようにスマホアプリで株価をチェックしていると、自分が持っている、とある銘柄の株価がいきなり半分になっていました

TOSHATOSHA

あれ…。いったい何が起きた?

突然の出来事でとてもびっくりし、何が起きたか調べました。

その企業の最新の決算は好調だったし、株価が下がるようなニュースも出ていません。

続けて調べていると、その企業が株式分割をしたことが分かりました。

TOSHATOSHA

なんだ、良かった株式分割か。むしろ好材料かな

とほっと胸を撫で下ろしました。

この記事では以下のような疑問に、投資家の目線でお答えします。

  • 株式分割ってなに?
  • どんなメリットがあるの?
  • 株式分割されると株価が上がるって本当?
  • 分割が発表されたら何かする必要はあるの?

結論から言ってしまうと、株式分割は「発行株式数が増える代わりに1株あたりの株価が下がる」ことです

また株式分割には、投資家にとって「流動性が高まって売買しやすくなる」「売買のオプションが多くなる」「株価が下がって買いやすくなる」ことで株価が上がりやすくなる傾向があります。

ただし株式分割によって、株価が上がるとは限りません。少なくとも最近、株式分割をした企業の株価はそれほど上がっていません。

一方で、株式分割では株主側は何もしなくてOKです。

以下で、株式分割について解説しています。

株式分割とは?

株式分割の仕組みは難しくなく、いたってシンプルなものです。

端的に言うと「会社が1株を複数に分割すること」です。以下のイメージをご覧ください。

【株式分割イメージ:分割比率が1:2の場合】

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上記のイメージでは、もともと発行株式数5株だったものが、株式分割によって10株に増えています。

ですが、企業価値自体は、株式分割では変わらないので、500円のままです。

一方で、株式数が5株⇒10株へ2倍に増えているため、株価が100円⇒50円に減っています。

冒頭で、私が持っていた銘柄に起こったのは、まさにこれです。

自分の持ち株に株式分割が起こっても、株式総額に変化は起こらないことに注意してください。

株式数が2倍になって、株価が半分になるので、ちょうど相殺されるためですね。

TOSHATOSHA

株式分割のみでは企業価値に影響はありません

ですが、しばしば株式分割後に株価が上がる、ということが起こります。

いったいなぜでしょうか?

株式分割で株価が上がりやすくなる4つの要因

株式分割後、投資家にとって以下のメリットがあり、株価が上がりやすくなる傾向があります。

①流動性が高まって売買しやすくなる

株式数が多くなるため、売買参加者が増えることが期待できます。そのため株価が大きく変動する可能性があります。

TOSHATOSHA

活発に売買されて注目されれば、株価が上昇する可能性が高まります

②株価が下がるため買いやすくなる

単元株あたりの株価が下がることで、少ない資金で株式を購入できるようになります。

例えば、ソフトバンクGを例に考えてみましょう。

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ちなみにソフトバンクGは2019年6月28日に株式分割を予定しています。比率は1:2(1株⇒2株になる)です。

今は1株=10,250円ですので、ソフトバンク株を購入するには最低購入代金1,025,000円が必要です。※単元株=100株

ところが株式分割によって株価が半分になると、1株=5,125円となります。

そうすると、ソフトバンク株の最低購入代金も半分になり、512,500円で購入できるようになります

TOSHATOSHA

つまり、少額の資金で買いやすくなり、購入者が増えることにつながります

③売買のオプションが多くなる

株数が分割されることにより、売買の自由度が高まります。

先ほどのソフトバンク株を100株持っていたとしましょう。株式分割によって100株⇒200株になったとします。

そうすると、例えば株価が10%上がったときに100株を売却、20%上がったときに残りの100株を売却、といったオプションが取れます。

TOSHATOSHA

株式分割により売買戦略の選択肢が増えます

④株価が上昇している銘柄が株式分割をする

4つ目の要因は、「そもそも」の話です。

株価が上昇しつづけている銘柄がそもそも株式分割をすることが多く、分割後も株価の上昇している、というケースが多いのです。

ふたたびソフトバンクを例に取って考えてみます。

ソフトバンクは、今から10年前は株価1,500~2,000円ほどでした。

それが今や通信業拡大やM&Aにより大成長を遂げ、株価が10,000円前後まで上がっています。

しかしこれほど株価が上がってしまうと、ソフトバンクの中の人はこう考えます。

「ちょっと株価が上がりすぎ。投資家が買いづらくなっているから株価を下げよう」(※想像です)

こうして株式分割が実行されるのです。

企業の経営者にとって、市場の評価である株価は非常に気になります。学校で言う「通知表」みたいなものです。

ですから、企業の成長に伴って株価が上昇しすぎると、株式分割を実施します。

TOSHATOSHA

つまり、株式分割する=企業の成長などにより株価が上昇しすぎた、ということ

株式分割の注意点

株式分割は2つのことに注意しましょう。

①急激な株価下落に見える

冒頭の通り、私自身も本当に何も知らない状態で保有銘柄を見て、株価が半減していたため、かなりびっくりしました。

何も知らないでいると、中には、パニックになって売りに出してしまう人もいるのではないでしょうか?

ただ常日頃から保有銘柄の動向をチェックしていれば、このように驚くこともありません(チェックを怠り反省しています

TOSHATOSHA

事前に株式分割の情報をキャッチしておくことが大事

②株式分割後に株価が乱高下する

前に書いた通り、流動性が高まるため株価の変動が分割前よりも大きくなります。

その結果、株価が乱高下する可能性があります

TOSHATOSHA

一時的な株価の変動に惑わされないようにしましょう

③1株あたり配当が減配になる

「株数が増えたということは、配当が増えたってこと?やったー!!」

と、持ち株が株式分割することを発表されたら喜ぶかも知れません。

ですが注意しましょう。多くの場合、1株あたりの配当は株式分割の比率に合わせて減配されます。

ですので、株式分割による

株式分割で株価は本当に上がるのか?最新データで検証

さて、みなさんが最も知りたいのは「株式分割で株価は上がるのか?」ではないでしょうか。

確かに「株式分割で株価が上がる」は一定程度、定説になっています。

TOSHATOSHA

しかしこれ、本当なんでしょうか?

「株式分割が与える影響からすると上がる可能性がある」ということは分かるんですが。。。

本当にそうなるのか、検証してみないと言い切れませんよね?

ということで、2019年1月~3月に株式分割を実施した銘柄で検証してみました。

最近、株式分割を実施した銘柄で、分割直後と分割から3か月後の株価を比較し騰落率を計算します。

【検証結果】

コード 上場市場 企業名 分割比率 実効日
(全て1日)
実効直後 株価 3か月後 株価 騰落率
4920 JQ 日本色材 1→2 3月 2,670 2,012 -24.6%
3993 マザーズ PKSHA 1→2 3月 5,440 6,150 13.1%
3541 マザーズ 農総研 1→5 3月 939 630 -32.9%
7611 東1 ハイデ日高 1→1.1 3月 2,095 2,033 -3.0%
4348 東1 インフォコム 1→2 3月 1,990 2,353 18.2%
2412 東1 ベネ・ワン 1→2 3月 2,165 2,074 -4.2%
6578 東2 エヌリンクス 1→3 3月 567 372 -34.4%
3965 東2 CAP 1→2 3月 1,586 1,295 -18.3%
6577 マザーズ ベストワン 1→2 2月 3,890 2,641 -32.1%
3565 マザーズ アセンテック 1→2 2月 1,931 1,695 -12.2%
3418 マザーズ バルニバーヒ 1→2 2月 1,021 1,199 17.4%
3763 東1 プロシップ 1→2 2月 1,348 1,185 -12.1%
6188 東2 富士ソフSB 1→2 2月 397 371 -6.5%
6164 JQ 太陽工機 1→2 1月 1,216 1,423 17.0%
4386 JQ SIG 1→3 1月 659 772 17.1%
7320 マザーズ リビン保証 1→3 1月 714 1,011 41.6%
5704 マザーズ JMC 1→2 1月 1,359 1,242 -8.6%
4390 マザーズ ips 1→5 1月 1,145 1,413 23.4%
4382 マザーズ HEROZ 1→2 1月 7,120 12,790 79.6%
3566 マザーズ ユニネク 1→2 1月 1,623 1,543 -4.9%
3461 マザーズ パルマ 1→2 1月 658 723 9.9%
6099 東1 エラン 1→2 1月 1,291 1,550 20.1%
4733 東1 OBC 1→2 1月 4,200 4,615 9.9%
4248 東1 竹本容器 1→2 1月 1,344 1,476 9.8%
4025 東1 多木化 1→2 1月 5,320 5,910 11.1%
3962 東1 チェンジ 1→2 1月 3,805 4,145 8.9%
3657 東1 ポールHD 1→2 1月 902 1,049 16.3%
3992 東2 ニーズウェル 1→2 1月 482 623 29.3%
3355 東2 クリヤマHD 1→2 1月 697 931 33.6%

2019年1~3月に 株式分割をおこなった全29銘柄のうち17銘柄が3か月後に上昇していました。全体に占める割合は58%です。

うーん。微妙ですね。サンプル数もあまり多くないので参考程度です。

一番株価が上がったのはAI関連銘柄のHEROZですね。

確かに全体では、半分以上が株式分割後に上昇しているようですが、強い傾向があるとまでは言えない数値です。

ただ2019年4~5月中は株式相場自体のパフォーマンスが良くなかった時期なので、それを踏まえると上昇しやすいと言えるかも知れません。

TOSHATOSHA

株式分割後といえど、全体の相場動向に影響を受けるので、株価が上昇するとは限りません

株式分割は何もする必要がない?

持ち株銘柄が、株式分割を発表しても、特に何もする必要はありません。

私なんて、株式分割をすることすら知らなかったのですが、無事に株式は保有し続けていますし、何の影響もありませんでした。

まとめ:株式分割後に株価が上がるとは限らない

最後にこの記事のまとめです。

株式分割には株価を押し上げる以下の要因がありました。

  • 流動性が高まる
  • 株式が購入しやすくなる
  • 売買オプションが多くなる
  • そもそも成長企業が多い

一方で、最新のデータを見ると、必ずしも株式分割で株価が上昇するとは限らない、という結果が出ています。

以上、ご参考になれば幸いです!

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