この記事では、大型優良株の住友電気工業の株価について予想分析しています。

比較的安定した株投資をしたいという人におすすめなのが大型株です。大型株は事業基盤が安定しており、株価の値動きはあまり大きく変動しませんが、急落する可能性が低いのが特徴です。

ただし、リスクもありますので購入時は注意が必要です。今回は、大型株の中のおすすめ銘柄、住友電気工業について購入のメリットや伴うリスクについてご紹介します。

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こちらの記事では、銀行員や戦略コンサルタントとして培ったデューデリジェンスのスキルを活用して分析しています

※投資は自己責任でお願いします

住友電気工業の事業概要

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「住友電機工業」は、非鉄金属メーカーで、日本の非鉄金属メーカーの中でも国内最大です。

あまりなじみのない名前かもしれませんが、住友電機工業は、120年以上の歴史があり、40カ国以上の国にグループ会社を400社以上も展開している大手企業で、海外展開が最も進んでいる企業でもあります。

一時期は、利益の約80パーセントを海外の利益が占めていました。

今では日本での利益が増加したことで、海外での利益は約半分ほどになりましたが、それでも自動車用ワイヤハーネスで世界シェアトップクラスを誇っています。

また、住友電気工業は、住友グループの「住友新御三家」の一企業として住友商事、日本電気 (NEC)と並んでおり、住友グループの中核となる企業です。

同社が展開している事業は、自動車関連製品をはじめとして、情報通信機器、電子部品、従来の電線事業の他にも、新分野の開発にも携わっているなど、数多くの事業展開を行っています。

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さらに、近年では光ファイバーの製造技術による光通信システムなど通信インフラも手掛けており、多くの実績を残している企業です

【参考リンク】住友電気工業ウェブサイト

住友電気工業の株価予想:大型株としておすすめする理由

大型株の中でも、住友電気工業の株は株価上昇が見込め比較的おすすめです。

おすすめする理由は大きく4つあります。

おすすめする理由①:高い配当利回り

配当利回りが高水準であることがあげられます。予想される2020年3月の年間配当金は1株当たり48円となっており、配当利回りは3.51パーセントです。

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ちなみに、国内上場企業の平均配当利回りは約2パーセントなので、比較するとおよそ1.7倍となり、高水準になっています

おすすめする理由②:PERで割安感

二つ目の理由は、同社の株のPERに割安感あることです。

PERとは、株価収益率(Price Earnings Ratio)のことをいい、1株当たりの株価が純利益の何倍の値段で買われているかを示し、株の割安感を判断できる数値の一つです。

PERが低ければ低いほど割安だと判断することができます。

また、PERが10倍よりも低くなっている場合は、更に割安になっていると判断しても良いでしょう。

市場全体の平均PERや業種全体の平均PER、該当する株の過去のPERと比較して、PERの値が10倍よりも低ければ割安だと判断することができます。

同社のPERは9.65倍と割安感が出ています。

おすすめする理由③:PBRで割安感

PBRとは、株価純資産倍率(Price Book-value Ratio)のことをいい、1株当たりの株価が何倍の値段が付けられているのかを判断できる指標になります。

すなわち、株が割安かどうかを判断できる数値の一つで、PBRが1.0倍よりも低い場合株価は割安だと判断することが可能です。

同社の株価を元にしたPBRは0.68倍で、割安な水準です。

おすすめする理由④:堅調推移を見込む業績

住友電気工業の業績は2020年まで堅調に推移する見込みです。

2020年には、移動体通信の通信方式の最新世代である5Gが商用化される予定になっていますので、光通信システムにおいて業績が伸びる見込みがあります。

住友電気工業の株価予想:想定されるリスク

大型株であるとはいえ、住友電気工業にも事業リスクや株価下落リスクなどが考えられます。

想定されるリスク①:自動車産業の衰退

自動車産業の業績悪化に伴い、住友電気工業の自動車関連製品の営業増益幅も縮小していく恐れがあります。

世界で環境政策が強化されたことや、都市化が進んだこと、公共交通機関の代替手段が確立したこと、が自動車の需要を減少させている要因です。

米国や欧州など、先進国での新車販売台数は減少しています。その分、中国などの新興国での売り上げが増加しており、売り上げは微増しているように見られますが、長期的に見てみると減少しつつあるのが現実です。

この状況が続けば、当然のことながら世界シェアトップクラスを誇る自動車ワイヤハーネスの生産が減少し、業績が悪化する可能性があります。

想定されるリスク②:海外の事業環境悪化

第149期(2018年4月1日~2019年3月31日)の決算単信を見ると「欧州その他」での営業利益構成比率は、2017年度は1.1パーセントであるのに対し、2018年度の決算ではマイナス5.8パーセントと大幅に利益が悪化しています。

過去数年分と比較してみても、「欧州その他」での利益は年々減少しています。その分、日本での営業利益が増加傾向にありますが、前期対比増減を見てみると、日本以外はすべてマイナスとなっています

特に、アジアの営業利益構成比率が約40パーセントとなっており、そのおよそ半分を中国が占めています。

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アジア圏の各国、特に中国の景気によっては、同社事業に大きな影響を及ぼす可能性が高くなっています

中国の今後の景気動向を占う上では、米中貿易摩擦の動向を注視する必要があります。以下の記事で、米中貿易摩擦についてまとめていますので、宜しければご参照ください。

【米中貿易摩擦まとめ】分かりやすく解説。今後の株式市場への影響は?

住友電気工業の株価を占う最新の事業動向

持ち分法適用会社であるテクノアソシエをTOBにより連結子会社化することを発表しています。

連結子会社化による相乗効果を得るためです。以下は、相乗効果について述べたプレスリリースの引用です。

当社及び対象者(テクノアソシエ)は、当社が対象者を連結子会社とすることにより、以下のような相乗効果が発現されると想定し ております。

①当社の様々な既存製品と、対象者が持つ広範な顧客ネットワーク及び対象者の国内 29 拠点・海外 10 ヶ国 における 22 拠点の事業拠点を相互に活用し合い、当社の様々な既存製品の販売量を増加させ、また、対象者の売上高を増加させていく効果

②世界 40 ヶ国に事業を展開している当社グループの海外拠点を、対象者が新たな事業拠点として活用する ことにより、対象者の海外展開を推し進める効果

③当社主要事業である、自動車関連事業のワイヤーハーネス、情報通信関連事業の光通信、エレク トロニクス関連事業のフレキシブルプリント基板等の資材の調達に関して、対象者のサプライヤーネットワークを通じて、金属部品や樹脂加工部品といった対象者の得意分野を中心に、当社は品質や性能、価格においてより優れた部品・材料を調達することが可能となり、また対象者としても当社に対する部品・材料の供給量が増加するという効果

④開発提案型営業により、当社の製品及び技術開発力と、対象者がこれまで積み上げてきた要素技術・市場 ニーズに対する知見や対象者が持つ独自の加工技術・サプライヤーネットワークを組み合わせることで、 顧客の要望に的確に応える製品を提供していく効果

➄当社のコア技術を駆使した合金材料製品を、対象者独自の加工技術と融合させることにより、民生エ レクトロニクス分野や車載分野での軽量化部材等として適用領域を拡大

⑥当社が長年培ってきた照射架橋技術と、対象者が有している約 2,000 社に及ぶ仕入先とのネ ットワークを組み合わせることにより、新たな応用製品開発や用途展開を模索

住友電気工業 2019年5月10日プレスリリース
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持ち分法子会社から連結子会社化することにより、バランスシートの拡大が期待されます

まとめ:住友電気工業は大型株の中でおすすめ

住友電気工業は、数多くの事業を展開しており、全ての事業の経営利益が黒字決算されています。

そのため、住友電気工業の大型株は、株価が急激に下がる可能性は低く比較的安心して投資でき、長期保有することも可能な株だと言えます。

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さらに、配当利回りも高めになっているので、安定して配当を受け取ることができます

以下の記事では、大型株のおすすめをご紹介しています。宜しければ併せてご覧ください。

安定している優良大型株のおすすめ一覧!厳選8銘柄