この記事では優良大型株である沢井製薬について分析しています。
大型株は、会社が何か大きな不祥事を起こしたり世界規模で金融危機が起こったりしない限り大幅に値下がりすることがないので買い易い銘柄です。
その中でも、業績堅調で今後の主力製品市場の成長が期待できるジェネリック医薬品大手の沢井製薬はおすすめの銘柄です。

こちらの記事では、銀行員や戦略コンサルタントとして培ったデューデリジェンスのスキルを活用して分析しています
※投資は自己責任でお願いします
沢井製薬の事業概要

沢井製薬は1929年、大阪市で前身となる沢井薬局が創業され、1948年に大阪市淀川区に本社を置く沢井製薬株式会社として設立されました。
医薬品の製造及び輸出入が主な事業で生活習慣病の治療剤や抗ガン剤など約760品目の医療用医薬品と一般医薬品を販売しています。
「なによりも患者さんのために」を企業理念として、患者さん、医療従事者、取引先、社員、株主・投資家、社会、地球環境といったステークホルダーを重要視しています。
かつての医薬品は、安全性や効果を立証するため何年も研究や臨床実験を行い、莫大は費用と時間をかけていました。
そのため医薬品の開発は特許申請をし、開発した薬品会社しか製造販売できなかったのですが、特許権が20年で消滅するとどの会社も同じ成分を使って薬が作れるようになります。
それがジェネリック薬品なのですが、研究開発や臨床実験に費用を掛けなくて良い分、低価格で販売できまた成分はそのままですが形状を変えたり他の成分を加えたりすることができます。
沢井製薬は、より飲みやすく高品質なジェネリック薬品を患者さんに提供するため、50年以上にもわたりジェネリック薬品の研究を重ねてきました。

そして現在は、業界のリーディングカンパニーとなるほど、ジェネリック薬品の製造開発に力を入れ、最新鋭の設備を使って更なる安定供給を実現しています
【参考リンク】沢井製薬 Webサイト
沢井製薬の株価予想:大型株としておすすめする理由
沢井製薬の株をおすすめする大きな理由、大きく3つです。
おすすめする理由①:過去最高益を更新
沢井製薬は、2019年5月14日の大引け後の決算発表で、19年3月期の連結税引き前の利益は前期の26.7%増となり、2020年3月期はその0.1%増を見込み、2年連続で過去最高益を更新する可能性があることを発表しました。
また、1月から3月期の連結税引き前損益は38.3億円の黒字となり、売上営業利益率は前年度同時期の3.2%から8.4%に改善されました。
抗インフルエンザ剤の「オセルタビミル」をはじめとした新製品が順調に売り上げを伸ばしていることが、大きな要因となっています。

また米国事業では、13製品のFDA申請、6製品の販売を予定していて、既存品の売上の減少も見込まれますが、営業利益は30億円を確保しています
おすすめする理由②:配当の拠出
配当金については、創業90年を記念して一株当たりの配当金が5円を加えた70円、年間の配当金も前期から5円増えて135円が予定されていて、利回りは2.6%です。
その利回りは決して高いというわけではありませんが、預金をしているよりは良い利回りです。それにさらに5円上回る配当金がつきます。
沢井製薬は、以前は増資問題で一時期株価が落ち込んだものの、新製品や主力商品が順調に売り上げを伸ばし増収増益の状態です。
さらに、今後、ますます日本は高齢化が進み健康を損ねて病院に行く人が増えると想定されます。
そのため、社会の景気が悪化したとしても、節約の対象とならない医薬品業界は景気低迷の影響を受けることがありません。
ましてや、一般の医薬品と同じ有効成分を使うにもかかわらず、価格が安いジェネリック医薬品の需要は今後も増え続けることが予想され、マーケットが拡大する可能師が高いです。

ジェネリック医薬品のマーケット拡大により、沢井薬品の事業も拡大していくでしょう
沢井製薬の株価予想:想定されるリスク
おすすめの理由について述べてきましたが、逆にリスクはどうでしょうか。
想定されるリスク①:薬価改定の影響
ジェネリック医療品の市場シェア80%に向け、販売増を狙う計画ですが、2019年10月と2020年4月に薬価改定があり、その影響によって事業が影響を受ける可能性があります。
消費増税にともなう薬価引き下げが検討されており、引き下げになれば沢井製薬への業績への影響は必至です。
想定されるリスク②:原料の供給制限リスク
また、供給制限のリスクがあります。
現在、7、8割の原薬の原材料は中国で製造され供給されており、特に抗生物質は中国が主たる供給地となっています。
そのため、中国の製造元でトラブルや不祥事が起こり、供給が滞ると薬品の供給が滞ることになってしまうのです。
中国ではありませんが、最近ではイタリアを産地とする抗菌薬「セファゾリン」が供給停止に陥り、医療現場に混乱をもたらしています。
【参考リンク】抗菌薬セファゾリン供給停止
仮に供給制限が沢井製薬の主力製品において発生すると、もちろんのこと業績を悪化させる要因となります。
ジェネリック医薬品業界では、こうした供給制限のリスクが常に付き纏います。

こうしたリスクに対処するため、抗生物質の原薬の国内製造を沢井製薬は努力目標としています
想定されるリスク③:製品の副作用リスク
ジェネリック薬品は「効果効能、安全性において先発薬と変わりがない」と言われます。
先発薬と主成分は同じでも、付加価値として患者が飲みやすい形状にしたり他の何らかの有効成分を加える等で販売しています。
しかしながら、先発薬のように臨床実験や研究をして膨大なデータを持つわけではなく、その付加価値として配合された成分などによって副作用が起こるなどのリスクがあるのです。

従って、ジェネリック医薬品自体の信用が失墜する可能性もあり、その原因が沢井製薬以外の会社であったとしても、沢井製薬の株価に影響が及ぶことも考えられるのです
まとめ:沢井製薬は大型株の中でおすすめ
大型株の沢井製薬株は業績が好調でジェネリック医薬品市場も今後拡大が見込まれることからおすすめの銘柄です。
ただし、医薬品製造の供給制限といったリスクが常に付き纏います。
以下は、沢井製薬以外の大型優良株についてのおすすめです。宜しければご覧ください。
【内部リンク】
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