この記事では、大型優良株のソニーの株価について予想分析しています。
ソニーは世界で名前が知られているブランドであり、世界で戦える日本企業と言えるでしょう。また、AV器機メーカーの印象が強いですが、ゲーム、映画、音楽分野などに幅広く進出しています。
幅広い分野で利益を上げており、大型株の中でも魅力度が高い銘柄です。直近の決算内容も好調です。ここではそんなソニー株について、事業概要やおすすめの理由などを解説していきます。

こちらの記事では、銀行員や戦略コンサルタントとして培ったデューデリジェンスのスキルを活用して分析しています
※投資は自己責任でお願いします
ソニーの事業概要

ソニーはAV器機大手として世界で知られている存在です。テレビやビデオなどではソニーがブランド化している商品もあります。
オーディオやデジタルカメラの分野でも売上を上げていますし、スマートフォンやインターネット分野でも事業を展開しています。また、ゲーム分野ではプレイステーション4を中心にして、ゲーム業界を牽引する企業です。
このプレイステーション4はゲームの枠組みにとらわれず、映画、テレビ、音楽などのエンターテイメントを提供するサービスに変わりつつあります。
さらに、ソニーは映画事業にも進出しており、製作、買い付け、配給などの映画事業の他に、配信チャンネルの運営なども行っているのです。
加えて、総合エンターテイメント企業として音楽に関する様々な事業を展開しています。

音楽出版事業では、400万曲以上を管理しています。その他に、保険や銀行など金融事業も行なっています
【参考リンク】ソニーWebサイト
ソニーの株価予想:株価が上昇する要因
事業についておさらいしたところで、ソニー株の株価が上昇する要因について考えてみます。上昇すると考える要因は大きく5つです。
株価上昇の要因①:自社株買い
ソニーは自社株買いの実行を発表してます。大型株での自社株買いは、キャッシュフローに自信がないと行うことができません。
ソニーは2020年3月までに600万株を取得する予定です。それ以前にも、2019年2月に1000億円を上限とする自社株買いを実施しています。
自社株買いは株主の利益になります。株主を大事にしているソニーの姿勢は、株主から支持を受ける可能性は高いです。
株価上昇の要因②:新技術の開発
ソニーは新技術の開発に余念がないことも株価が上昇する要因です。ソニーは米マイクロソフトとクラウドコンピューティングや人工知能の分野で提携を模索していると発表しています。

新技術の開発に力を入れているため、将来も利益を上げ続けられる企業になる可能性は高いでしょう
おすすめする理由③:株価の安定的な推移

さらに、経営が安定しているため、堅調な株価を維持している点もプラスポイントです。堅調な株価は、事業の堅調さを示しています。堅実な経営が続いているため、一時的に株価が下がっても上昇する傾向があります。

特に2019年3月末の時点で現金の残高が1兆4700億円となっているので、経営体力にはかなり余力があります
株価上昇の要因④:事業間の相乗効果
ゲームを中心にして音楽事業や映画事業を関連付けて事業にしている点も魅力的です。
中でも、プレイステーション4はゲームをするためだけのものではなく、映画や音楽などを楽しむ総合エンターテイメントを実現する機能を持っています。
映画事業や音楽事業を自前で行っているので、他企業と連携する壁がソニーにはありません。そのため、ユーザーはプレイステーション4を利用するだけで、様々なサービスを受けられます。
このような環境をソニーは長年かけて築き上げてきました。それが事業として順調な売上につながっています。

この競争優位性を作り上げるまでに時間をかけていますので、軌道に乗れば堅調な売上が期待できます
株価上昇の要因➄:成長が期待できる事業
業績回復の立て役者となったイメージセンサーは、今後更に成長が期待できる事業です。ソニーのイメージセンサー事業は世界シェアの過半数を占めています。
スマホなどに搭載されているイメージセンサーは、2019年度も堅調に需要が伸びると予想されています。

スマホの売上が減少する可能性はありますが、スマホカメラの多眼化により、イメージセンサーの需要が減る確率は低いと言えるでしょう
ソニーの株価予想:想定されるリスク
モバイル・コミュニケーション事業がソニーのリスクと言えるでしょう。研究開発費に多額の資金が使われており、赤字基調が続いていますし、すぐに黒字となる可能性は低いです。
このまま赤字が続くと株価にも影響すると考えられます。モバイル・コミュニケーション事業では、リストラなどの抜本的な改革をすることが課題になるでしょう。
また、関税の引き上げなどで影響を受けることも考えられます。例えば、直接的な影響を受ける可能性があるのは米中貿易摩擦です。どちらの国でもソニーはビジネスをしています。
貿易摩擦の影響を受けて、中国市場とアメリカ市場でソニー製品が売れなくなるかもしれません。さらに、長期化することで影響が長引き、大幅な売上下落につながることもあるでしょう。
貿易摩擦については以下の記事で詳細を解説しています。
【内部リンク】
【米中貿易摩擦まとめ】分かりやすく解説。今後の株式市場への影響は?
ソニーの株価を占う最新の動向
最新の動向はどうなっているのでしょうか。特に気になるのは決算の内容です。最新の決算について確認していきましょう。
最新の決算内容

ソニーは7月30日に2019年4-6月期の決算を発表しました。営業利益が2,309億円となり前年同期比で+18%にて着地しました。
ソニーが7月30日に発表した2019年4~6月期の連結業績は、本業のもうけを示す営業利益が2309億円と前年同期比で18%増えた。
出典:日経ビジネス
半導体事業でスマートフォン向けのイメージセンサーが好調だったほか、課題のスマホ事業が四半期ベースで黒字に転じたことが寄与した。
営業利益は第一四半期ベースでは過去最高の営業利益を記録しました。一方で、テレビなどのエレクトロニクス事業や、「プレイステーション4」販売などを手掛けるゲーム・エンターテイメント事業はやや振るいませんでした。
通期の業績は売上高を▲2,000億円下方修正しています。ただ営業利益の金額は据え置いており、決算発表を実施した十時CFOは「無理して拡販せず、利益を確実に上げていく」とコメントしています。
【外部リンク】
ソニー:2020年3月期 第一四半期決算
まとめ:ソニーは魅力的な大型株
大型株のソニー株は堅調な経営をしているため魅力的な大型株です。自社株買いをするなど、経営陣が株価を上げる努力をしていることもプラスですし、直近の決算も好調に推移しています。
貿易摩擦等によるリスクはありますが、業績は好調に推移しておりさしあたって株価が大きく値下がりする要因は少ないでしょう。
以下の記事では、他の大型株について分析をしています。宜しければご参照ください。
【内部リンク】
安定している優良大型株のおすすめ一覧!厳選8銘柄